1.もしかしてイキずらい?-初体験編-
テレビ業界で長年活躍、お金にも女性にも全く不自由していない、百戦錬磨の50代男性とエッチした時のこと。
「ニヘイちゃん、もしかしてイキずらい?」
そう言われて、一瞬"時"がとまった。
え?
イ・キ・ず・ら・い?
なにそれ?
私に言ってるの?
まさかこの私がイキずらいなんて、そんなのあり得ない
でも、よく考えたら私
中でイッたことがない…
ずっと見ないフリをしてきた現実が急に目の前にやってきて焦った。そこから目をそらそうとしても、なかなかできない。それどころか、過去に関係をもったメンズ達との出来事が、走馬灯のように思い出されてくる。まるで、向き合いなさいと言われているかのよう…
『レスリング部の大学生』
初体験は高校1年の時。
お相手は7歳年上の大学生だった。
彼はレスリングをやっていて、全日本選手権にも出場するほどの人。
顔は韓国の俳優、キム・ヨンホさん似。
身長は170cmあるかないか。
たしかレスリングの階級が58kg級だった気がする。なので、筋肉はめちゃめちゃあるんだけど、体つきはしなやか、そんな感じ。
7歳年上の大学生の彼と、どうやって出会い、交わるに至ったか。これについては省略するとして
はじめてのセックスは
とにかく
痛い痛い痛い痛い
とにかく痛い
噂には聞いていたけれど、こんなに痛いものなのか!と思った。でも、この痛みはなんだか大人の仲間入りというか、勲章というか、そんな感じがしてちょっと誇らしくもあった。
とはいえ、あまりの痛さに一旦はギブアップ。
(この痛みを表現するならば、もの凄く汚い例えだけど、超絶便秘のさなかに排便する痛みと少し似ている気がする)
少し休憩して再チャレンジとなった際、私の上に覆い被さっていた彼が
「力を抜いて」
と私に優しく語りかけてきた。それに思わずキュンとしてしまい、おかげで一瞬痛みが揺らいだ、ように感じただけで、やはり痛い。
あまりに痛すぎて
「もう全部入った?」「まだ?」という言葉を何度も彼にぶつけた気がする。
7歳年上で明らかに私より経験豊富な彼だったから良かったけれど、これがお互い初体験だったならばきっとお相手は萎えていただろう。
その後、彼がフィニッシュしたかどうか。
これについては全く記憶にない。
彼のモノが私の中に全部入ったことは間違いないが、とはいえ痛みでそれどころではなかった。でも、それさえも初体験の良い思い出として私は捉えている。
こうして私は、7歳年上の筋肉大学生との初体験を終えた。
振り返ってみると、この時の衝撃的な痛みが「イク=別世界のもの」という概念を私に植え付けてしまった、そんな仮説を立ててみたが、なんだか腑に落ちない。
なぜだろう。
まぁ、またじっくり検証してみればいいか。
いずれにしても、初体験が彼で良かった。
余裕と優しさと上質な筋肉の三重奏。
彼、元気にしてるかなぁ。
おわり
さて、次回の「もしかしてイキずらい?」は
下付きは入れずらい?編をお届けします。