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イタリア滞在240日目

Sagra、村祭りです。トスカーナでは夏季に至る所でサグラがあるらしく、あちこち遠征してみました。イタリアに来るとき、村祭りの存在をとある方から教えてもらってものの、ついぞ来る機会がなかったのでその機会を自分で作ってみました。

片田舎で落ち着いた生活をしていればそういった場への縁も生まれたのでしょうが、今までは人ところに落ち着く機会も少なく、また現地の人とも触れ合う機会も少なかったのです。

金土日と3日間、すべて違うサグラへと行きました。「この機会を逃してなるものか」と思い切って(自転車を使って)遠征してみたのですが、3日間ともいろんな縁に恵まれて楽しかった。

ノープランだからこその出会いに恵まれたのですが、サグラについてろくな事前知識なく赴いてしまったので、もしも詳しい方いらっしゃったら詳しいお話を聞かせてください。

最寄りの町から自転車を借りに2,3キロ歩きました。近所の自転車屋さん、祝日なのか閉まってたんです。
centro commerciale.
デカトロンに来ました。アウトドアが充実しているイタリアのホームセンターです。
麦?が茂っている畑や、
閉まりかけのメルカートを尻目に走ります。
「お腹すいたなー」と思ってGoogle Mapを開いたら良さげなトラットリアがあったので入ってみます。
これは頼んでないのに出てきた赤ワインです。
「ワインはいらないよ」と言ったのに出てきました。Google Mapのレビューがいやに高かったから信頼して入ったのですが、レビューが沢山あるということは沢山の人が来ているということで、つまるところ観光客向けのお店になりがち、なんですよね。
これはビステッカと頼んでないのに出てきたコントルノのポテトです。
「コントルノは要らないよ」と言ったのに出てきました。結果的にワインもポテトも美味しかったからいいけれど(でも多すぎたので残すことになってしまった)、カメリエーレの人が観光客と思っているのか雑に扱われたように感じました。しょうがないね。
お店のレビューを眺めていると接客が良かったからと高評価をつけているのをよく見ていて「味よりもそちらを重視するのはいかがなものか」と常々思っていたけれど、過度に良くない接客はマイナス点になる、というのを身にしみて感じている。
気を取り直してサイクリングです。
途中に良さげな建物を見つけたので寄り道です。「道草を楽しめ、大いにな」の精神。
石畳に溢れるピッコラな街。
軽く散歩したけれどマジで何もなかった笑。祝日だからかもしれない。
絵が飾ってあるくらい。
イタリアは道端にキャンピングカーが駐車されているのをよく見る。
さらに進んでサグラの会場前です。この橋を渡った先が会場なんだけど、
到着時刻が早すぎて誰もいませんでした。
近所を軽く見回って、
適度な日陰で休憩していたらちょうど家主がやってきて気まずい時間が流れました。乗っていた自転車はシティサイクル用のものです。移動するとき無茶しがちなのは僕の悪い癖ですね。
サグラが始まるまでに2時間もあって暇だったので会場を歩いていたら、、、
歩いていたら、、、
何やら物音が。ペロリ、これは(野外)キッチン。おやや、もう皆様働かれているではありませんか(当たり前か)。これは忍び込むしかありません。興味津々なアジア人の顔で"Posso vedera la cucina?" の一言と挨拶すると快く快諾されました。これは鶏肉のグリルです。これ、お肉の下には炭があって、網は回転するんだけどスケールがでけえ。こんなの日本で見たことないよ。祭りの動員数は絶対に日本の方が多いのに。
焼けたお肉は金属棒で突く。
その後はこれまたでかいお肉が焼かれ始めました。
スケールがでかい!
人の向こうにあるのは巨大食洗機です。イタリアってとにかくスケールがデカくて、衣服を入れるのに使えるようなタッパを冷蔵庫に入れたりするんだけど、その冷蔵庫を食洗機で洗ったりするんですね。こんなサイズの食洗機は僕も初めて見たけれど。すごい音で洗う。
食洗機に入らない、または油汚れがしつこいのは水圧で洗う。手前に見える取手がついているのはモーターで、すごい音で動く。
「うなぎ祭り」と聞いて新鮮なイタリアのうなぎが食べられると楽しみにしていたのになんと冷凍でした。しかも現地で取れたものではなくピエモンテ産だとか。これは解凍中の写真。
「なんでうなぎ祭りなの」と尋ねたら「そういう文化があったから」だそうな。昔は取れたらしい。
最初はグリルゾーンだけで大人しくしていたんだけど我慢できなくて屋内にも忍び込みました。
おどおどしてたんだけどめっちゃ歓迎してくれた。差し入れまでいただいてしまった。
うまそうな香りがしたので覗かせてもらいました。Anguilla in umido、うなぎのトマトソース煮です。絶対美味しい。食べる予定なかったんだけど急遽食べることにしました。
オリーブオイルと玉ねぎかな。イタリアは紫玉ねぎをよく見ます。
これまでの写真に何人かいたと思うけれど、皆ボランティア。本物のコックは一人くらいしかいない。カメリエーレには子供も参加している。"Attenzione…"で始まる文章は「ボランティアは夕食ただ!」とある。村祭りが全部ボランティアって信じられない。
中に夢中になっていたら人が集まり始めてた。
チケットと何を食べるかは前売りで帰るんだけど、当日券もあって。アホほど人が並んでいた。しかも進みはめちゃ遅い。チケット販売開始時間になっても「今準備中だから!」と帳を下ろされる(イタリアあるある)。
僕はというと、そんなこともあろうかと(というか絶対そうなるだろうから)事前に買っておきました。でもクチーナ見てたらメニュー変えたくなっちゃって。我儘行ったら快諾してもらえた。
メニューです。
チケット変更を済まして戻ってきたら、クチーナが動き始めてた。
お肉も焼きあがってて、
味見もさせてもらえた。
揚げ物も稼働中。
うなぎも焼きあがってます。
キッチンで遊んでたら「料理出すぞ!」と追い出されてしまいました。
開始前のスピーチが雑すぎて好感が持てる。
隣にいるのはボランティアのカメリエーレたち。
会場はこんな感じ。サグラって全然わかってなかったけれど、テーブルがずらっと並ぶのが恒例っぽい。トスカーナだけかも。
Anguilla in umidoです。骨と油のパンチがが思っていたよりもすごかった。
Anguillona fritta alla chiesanovese. 付け合わせは揚げポレンタ。すでにこの時お腹はいっぱいだった。うなぎ祭りだからとうなぎを2品頼んだのは完全に失敗。後悔してないけれど。
クチーナのすぐ隣にカメリエーレが行列をなして並んでいる。
会場の盛り上がりはこれから、ってところだったんだけど、暗くなってしまうので
会場を後にします。
気づいたら沢山の車が。
スッカスカだった道端にめちゃ並んでる。
これは仲良くなったおじちゃんにもらったサグラTシャツ。サイズがLだったかな。全然合わないのだけど愛用している。「せっかくイタリアに来たのだから現地のものを」の精神で服を探しているのだけど僕の身体が小さくて合うものがなかなかない。そんなもんだから服をほぼ買わずに半年以上過ごしてきたんだけど貰い物だと気にならずに着れて重宝してます。
そんなこんなで52km走りました。この距離走るならもう少しマシな自転車が欲しかった。が大変なのはこれからなのです。。。

次回、トスカーナの丘の小さな町で素泊まり!

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イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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