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イタリア滞在242日目

サグラ編3日目。最後はマッケローニ祭り(Sagra del Maccherone)。ここも会場が公共交通機関では行けないところで、最寄りから10キロくらい車道の隣を自転車で走って行きました。

実は、このマッケローニ祭りは本来行くつもりがなかったサグラで。とゆーのも、住んでいるところからだとどうにも日帰りだと行けなさそうだったんです。

ですが、思わぬ形で前日に近くの村でお泊まりできたので「自転車を使えば日帰りで行ける!」となり、朝イチで行くことを決めました。

しかし、自転車のレンタルは2日間(うなぎ祭り・クロスティーニ祭り)で期限切れ。本来はその日の午後過ぎまでに返さないとなりません。しかし、ここから引き返すとマッケローニ祭りには行けないどころか、その日が終わってしまいます。とゆーことで、本当はあまりよくないのですが電話でごねました。

イタリアは契約社会で、サインした契約書には「期限を超えて借りることはできないよ」とちゃんと書いてあったことはよく覚えているのだけど物理的に戻れないものは仕方がない。

〜当時の電話を再現〜

僕「こんにちは。自転車を借りているものです。本当に申し訳ないのだけど、今日の正午までに自転車を返すのは難しいです。夕方に返すことはできますか?」

オペレータ「こんにちは。自転車は正午、遅くとも15時までに返却していただくなくてはいけません」

僕「今からだと15時には間に合いません。17時、18時に返すことはできないでしょうか」

オ「15時を過ぎると契約書の期限が切れるので不可能です。自転車は正午、遅くとも15時までに返却していただくなくてはいけません」

*** このやりとりが数回繰り返される ***

僕「……余分にお金を払うなど、何か別の方法はないのですか?」

オ「ご利用の自転車のモデルによって値段が変わります」

僕「借りているのはシティ・モデルの自転車です」

オ「そちらのモデルですと(少し調べて)50ユーロお支払いいただくことで契約を新規に結ぶことが可能です」

僕「(なんでその方法を最初に言わないんだよ)わかりました。そちらでお願いします。お名前を伺ってもよろしいですか?」

オ「***です」

〜電話終わり〜

期限を超えて借りようとする僕が悪いんだけど、この内容で10分間も話していたことに驚きが隠せない。そう、これがイタリア。こちらに気を利かせて調べてくれるなんてことはない。主張するまで教えてくれない。それはもうじゅーぶんにわかってるから10分ごねて落とし所を見つけた。

なんて、威張れることじゃないんだけど、最初はイタリアがこーゆー国だってわからなかったから右往左往していたことが多くて。大事なのはとにかく自分がやりたいことをしっかり伝える。「オーケー。いいね、そうしよう」とリアクションが返ってくるけれど実際にそうなるとは限らない。それでもまるで初めて口にしたかのようなテンションで再び自分の望みを口にする。そうして理想が少しずつ現実という名の落とし所に落ちていく。それがイタリア。たぶん。

そんなこんなで始まるサグラ編3日目です。

朝イチは家の前までゴミ収集車がピックアップしに来てくれました。霧に囲まれた村を周りながら、
少し降りたところで祭りの後処理のゴミを捨てます。村のすぐ下にあるごみ収集箱はもういっぱいなんだって。
そこからオリーブ農園へレッツゴー!
やや、
これはオリーブの花です。
この名前だったか忘れちゃったけれど、オリジナルのオリーブを交配したらしい。
朝からテイスティングもさせてもらいました。なんといってもソムリエなんでね笑
めっちゃ賞とっとる。
生搾りです。
こーゆーラベル付け、イタリアでよく見る。日本はどうなんだろ。
シールもその場で貼り付けるスタイル。一瓶買って帰ろうと思ってたら、お土産にとくれました。本当は500mlくらいは欲しかったのだけど、自転車旅にはちと重い。
ボトルもおしゃれよね。
記念写真です。ちなみに僕が来ている上着はお泊まりさせてもらったレオの古着です。日帰りの自転車旅で来てたから上着がなくて寒がってたらくれました。親切すぎる。
村のバールに戻って朝ごはん。
この日の朝にはお散歩イベントもあったみたい。
朝ごはんを済ましたら自転車で降って降って、
Bucine駅へ。
自転車にウインドブレーカーと昨日当てたバッグを括り付けて超軽装自転車旅です。
辿り着いたはArezzo.
月に一度だったかな、アンティーク市をやっているらしく。
めちゃんこ大きい。
トイレとかキッチンを示すお手製の札、これは欲しいなと思った。
チェスはイタリア語でscacchi.
モルタイオ。
お店の前でニョッキの実演してた。
ウォールアート、つい見ちゃう。
自転車旅の再開です。この道は広いから写真撮れるけれど、狭いところでは脇をビュンビュン車が通って行きます。Giro d'Italiaでイメージする自転車旅はここにはありません。
会場はBattifolle.
たまたまTVの取材が来てた。日本人とイタリア人のハーフみたいな男の子がいた。
料理の注文は受付で行います。ここらへんのIT連動しっかりしててイタリアいいね。
Sagra del Maccheroneのメニュー表です。「Nana al forno」というのが地元料理っぽくて気になっていたんだけど予約でいっぱいでした。そんな遅い時間に来たつもりはなかったのに。多分前日から予約は埋まってて、この手のお祭りは地元民向けなんだなと感じた。
Nana al forno: Anatra al forno confezionata con finocchio aglio sale pepe e olio extra vergine di oliva. フィノッキオ(ウイキョウ)、ニンニク、塩、故障、EXVオリーブオイルで味付けした鴨。
サグラ3つ巡ったけれどここが一番高くついた。
会場はこちらです。
入るとこんな感じ。食堂ですね。
さっきのテレビ取材の人たちが一瞬隣に来た。
カメリエーレはやっぱり若手。
La cucina.
キッチンです。
こっそり(堂々と)忍び込んだ図です。
Nana al fornoが気になりまして。
Nana al forno. 端っこを少しだけ味見させてもらいました。
こちらはNana al fornoに使われていたフィノッキオ。
Finocchio selvatico. 野生フィノッキオです。 
こちらがマッケローニ。「これはパッパルデルデ?」と質問したら一同大笑い。そうだった。マッケローニ祭りだった。この地方ではマッケローニと呼ぶのです。
こちらがサルサ。
恒例、お肉焼きゾーンです。
この黒い板、わかりづらいけれど真っ黒になった木の板で焼き上がったお肉を切っていく。これを見て「まな板」という概念を失ってしまった。絶対この祭りの時しか使ってないと思う。
翻って自席です。料理が来るまで暇なのでキッチン潜入をしていたのです。
Menu zi' Beppe Funghi(Maccheroni ai funghi + controno). 見切れてるけど下がキノコのパスタです。
ラグーもついてくると聞いていたんだけど、コミュニケーションミスでラグーが来ないとわかって絶望していたら隣のおじいちゃんがカメリエーレに交渉してくれてやってきたラグーです。いや、まじ一口でよかったんだけど一人前届いちゃったよ。
これはおじいちゃんが奢ってくれたヴィンサントとカントゥッチ。告白するとヴィンサントはそれほど好きでもないのだけど、トスカーナにいると飲む気になってしまう不思議。
帰りのバス停。バス、乗らないけど。町、めっちゃちっこいのにバスの時刻表がリアルタイムで伝えられるの感動。ただし合っているかは保証されていない。

以上。サグラ巡りでした。

1回目も2回目も村民やキッチンの方々と仲良くなったりとだいぶ特異な経験をしましたが、今回は普通の観光客寄りの楽しみ方。この日ようやく客観的なサグラを認識した気がします。

ピエモンテのお祭りにも一度行ったけれどその時は相方が日本人だったから。終始一度も日本語を喋らない、という村祭り経験はここが初。今となっては当たり前になってきたけれど(執筆時点9月)、このくらいから徐々にイタリア人のコミュニティに入り込んでいったように感じる。

村祭りは「イタリアの食」という意味ではそれほど発見はなかったかな。「中の人と仲良くなる」という面ですごく楽しかった。寄り道を楽しめ、ですね。

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