22年間女性扱いだったヤツがメンズ眉毛カットに行ってきた

「男性ホルモン注射の変化は？」
と、好きな人に聞いた。久しぶりに会うカム済みの人には誰にでも聞いてみたい質問。

「眉毛、濃くなった？」
へえ〜それは気づかなかったな。

後日鏡をみると、たしかに存在感が増したかも。ゲジゲジするのは嫌だな、はみ出ているような箇所を即座にカットした。

でも眉毛のことなんてどうしていいのかわからない。こういうときはプロに任せよう。

メンズ眉毛カット、で検索。
その日のうちに行きたい勢いだったが、予約が必要だったので3日後に確保した。

学生価格とはいえに眉毛だけに4000円使うのは初めて。カット自体というよりも、この興奮はもう一つ別のところにあった。

初めて性別欄:男性、男性名で予約した。

ネットだけじゃなくリアルに会う人に対しての初挑戦。

しかも、そういえば。1ヶ月前にがくんと声が低くなってから男性としてみられることが多くなったが、男性として扱ってきた人は男性陣か年配者だった。

でも今回眉毛カットしてくれるのは、“ほぼ同年代の女性”だ。

自分は22年間女性として生活してきて、変化が出てきたのは本当に最近のことだ。22年間女性からは「同性」と見なされてきたはず。
急に「異性」という見方に変わるものだろうか。めっちゃ緊張する。

当日。出迎えてくれたのは、清楚な佇まいのお姉さん。
すでに男性客2名の眉毛カットが始まっている。自分はきっと彼らより15㎝は小さい。体毛もうすい。ヒゲらしいヒゲも生えてない。声変わりだってまだまだかもしれない。

おまけにこの童顔だ。「男？女？」と思われるよりも、「童顔ww」と驚かれそうだ。生年月日をごまかしたかったが、今回は名前を男性名にするだけにした。

席に案内されると、男性名の名札が立っていた。感動した。それに、まだ慣れない。

普段のお手入れは何をしているか、どんな眉がいいか、というちょっとしたカウンセリング開始。

それから眉のカタチを書き込む。お姉さんの後ろ側を凝視しなければならない。思いっきり顔を見られているわけで、どう思われているのか気になる。

「肌きれいですね」
「眉整ってますよね」
色々褒められた。

しかも、化粧水も乳液もつけてるなんてスゴーいと。それ女性には絶対言ってないんだろうなあ。男性ってそんな無頓着で生きていられるんだろうか.......まあ男友達はリップクリームを使ったことない、と言ってたし......。

こちとら22年間女性ホルモンに支配されて生きてきたんだから、肌はつやつやで、眉毛もボウボウにはならなかった。男性の眉毛ってもっとゴツい感じあるもんなあ。

自分の感覚としてはずいぶん眉毛が濃くなっちゃったつもりだが、お姉さんからしたらメンズ眉毛のわりに細くて整っている、らしい。「ほんの少しのカットにホントに4000円かけるの？」という疑問がお姉さんから感じられた。でも、いい。経験を買いに来たんだ。

40度の熱さのワックスをつけ、根元から毛を抜いていく。しあげは冷たいワックスをつけられ、全部ふきとっておしまい。

ほんの少しのカットに1時間もかかるもんか？と疑っていたが、寝そべって目を瞑っている間に実際50分以上経っていた。あっという間だった。

痛さにつよいんですね〜と言われたが、それはたぶん普段のホルモン注射の方がチクリと痛いからだ。眉毛をブチっととるくらいなんてことなかった。

元から「整っているし、自然」と評されただけあってカット自体は少しだった。それでも随分印象が変わった。個人的には大満足である。

おそらく次からは自分で眉毛を整えるけど。グルーミングセットを購入する気だ。

次こういうカットの機会があるとすれば、ヒゲが生えそろってきてカタチを決めたいときだろうなー早くその日が来てほしい。
ヒゲ！生えますように！

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