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あきら
2019年1月7日 01:12
プラネタリウムがなく、高層ビルのランプもなく、空がごきげんななめなころ、イルカは首をうんと伸ばして海上で息をした。海の揺らぎを、星として眺めるために。モグラではなく、イルカだよ。キリンを知らないイルカは、せめてクジラになってやろうと海の星に誓った。きらめく流星群のなかを堂々と泳ぎたいのだ。仲間なのに、境界線を引いたのはニンゲンだ。アフリカの地図と同じ暴力が、はるか彼方で行使されたらしい