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台北の隠れたタイムスリップ 30年歴史を持つ小さな食堂

数日続いた曇り空の後、台北の空は久しぶりに晴れ渡りました。台北市政府からほど近い場所に隠れている、約30年の歴史を持つ小さな食堂は、単に美味しい食べ物を提供する場所以上のものです。まるで時間を超える容器のように、訪れる人々を過去の記憶へと誘います。この食堂の外観は質素ながら、時間を超えた旅をするトンネルのように、味探求者を温かく迎え入れます。

この老舗の魅力は、そのシンプルで直接的な調理法にあります。店の入り口にある通路はまさに、店主が料理の腕を振るうステージです。毎朝6時から、店主は食材の準備に忙しく、新たな一日を迎える準備をします。鍋貼を丁寧に焼き上げる店主の姿をカメラに収めようとすると、彼は蒸籠の中の様子にも細心の注意を払いながら、全てに専念している様子が見て取れます。

店内は満席ですが、食事を待つ空のテーブルが目立ちます。店主一人で調理、清掃、会計まで全てをこなしているためです。効率を求める人には不向きかもしれませんが、それでも昼時には行列ができます。私は蒸餃と鍋貼を注文しました。特に鍋貼は、その数と品質で驚かされます。ただ、油っぽさが気になるかもしれません。蒸餃は三つの異なる味を楽しめますが、蒸籠から取り出す際には速やかにいただくのがベストです。

今日の価格でこの二つの料理を合わせても200元未満とは、心躍る美味しさです。この歴史ある店での一口一口は、味覚を満たすだけでなく、過去への郷愁をも呼び覚ましてくれます。忙しい都会の中で、こんなにも歴史と記憶が詰まった小さな店が、私たちに生活をゆっくり味わうことの大切さを思い出させてくれるのです。

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