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きみの色

鑑賞:2024年9月@TOHOシネマズ新宿

絵本みたいな作品。

長崎を舞台に、高校生3人がバンド組む話です。タイトルどおり、主人公は人や気持ちが色で見えるという不思議な感覚を持っていて、その一人称の描き方は好きなのですが、その影響で3人の話にバランスがアベコベだった印象です。

とにかくカットが多いです。そんなに描いたんですかと驚きます。詰め込み詰め込み、飽きないように飽きないように。そんなに恐れなくても良いのにと思うほどです。じっくりなシーンでは余韻が楽しめなかったので、これは苦い大人の事情によって、この仕上がりになったのだろうなと思いました。前編後編で2作のつもりだったのでしょうか?さすがに、絵がもったいないと思う気持ちが出て来ます。

色も音も、やりすぎない。圧倒しすぎない。大変優しいトーンで終始します。主人公のビジュアルも、バンドが鳴らす音も、とても大人しいです。繊細に音も像も作られていて、見ているうちに、音や色が欲しくなるのです。クライマックスでも大人しいツクリだったのは、大冒険ではないでしょうか。あえて劇場の表現力を使い切らない印象です。

深夜アニメやジャンプアニメで埋められていく中で、一筋の安全安心な絵本のようなテイストでした。

青春の淡い感覚を、大人たちが作り上げている奇跡に感動した作品。

▲コミカライズ版です。

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