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違国日記
鑑賞:2024年6月@TOHOシネマズ新宿
多感な時期を汲み出す作品。
原作未読、予備知識も役者さんだけという状態で拝見しました。
直接的な表現を避けつつ、意味が拾えない描写までは振り切らず、多少のホッとする和気あいあいなシーンも盛り込んだ、「変化球だけど確実にストライクゾーンに通る球」という難易度の高い投球を見せていただきました。
お話は、両親を事故で亡くした中学生と、その身柄を引き取ることにした叔母との生活が始まったことを軸にして、親や姉妹、友人関係などが照らす中高生のやわらかな心情を描いています。中学生と叔母の揺れ動きが複雑に多重することで奥行きが出ていて、良いトーンが生まれています。
なにより役者さんが映える。魅力的です。早瀬憩さんの表情、佇まい。ボーイッシュで、子役の頃の神木隆之介さんを連想するビジュアルです。そして新垣結衣さん。ぶっきらぼうで、かわいくないキャラを自然体のように演じられていて、完全にキャラ寄せに成功されておられます。夏帆さんも瀬戸康史さんもハマってます。元美少女俳優さんの、良い歳の取り方を見せてくれている感じがあって、とても良いクリエイティブだと感じました。
そして照明や光の加減が美しい。人と表情が幻想的で、眼福この上ないです。撮影の四宮さん(?)のウデでしょうか。ずっと見ていたくなる絵作りでした。ロケ地も素敵。
新垣結衣さんの幅広い素材力を感じる作品でした。
▲まだ未見です。