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ありきたりな言葉じゃなくて
鑑賞:2025年1月@新宿シネマカリテ
嘘は難しい。
テレビドラマの脚本家デビューを目の前に、ひと波乱起こる作家志望者の話。現実・現代を舞台に、起こりそうな、あってもおかしくないお話が展開します。なるほど、実話を基にしているそうです。そこの入りはとても嬉しいです。その一方で、シナリオや言葉、気持ちを大事にするのだという題材に対して、この作品そのものはどうなのか?という、ブーメランを抱えていて、そこは、まあ難しいですよね、と現実を突きつけられました。逃げずに作っているのが素晴らしい。
出だしのテンポとキャスティングが良いんです。前原滉さんだらかこそ見ていたくなる。問題の女に小西桜子さん。役より本人の魅力に頼っている作品と思いました。圧のある奥野瑛太さんも役というよりご本人の風貌が支えています。この作品の卑怯なのは主人公の両親として酒向芳さんと山下容莉枝さんが登板しているところ。そりゃ、いいですよ!
2025年、最初に見た作品となりました。作品の良さはシナリオだと思いますが、ヒットは役者で成立するのだといい現実を突きつけられたようなスタートでした。
▲前原滉さんが良い役でした。