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石がある

鑑賞:2024年10月@ポレポレ東中野

映像を作っている人向け作品。二度見る勇気が湧きません。

事前に、河原で水切りしてるオッサンと川を上るらしいと聞いて、覚悟して望みました。入って行けなかったらどうしよう。集中力が持たなかったらどうしよう。寝てしまったらどうしよう。

上映開始、フレームサイズが4:3ぐらいと分かって、期待値が上がります。長いカットが多いのがわかり、自分の集中力に不安を感じ始めます。数分で睡魔に襲われてしまい、この作品には何かあるんはずだと仕切り直しました。そう、なんだか「変」なんです。この主人公、何してるんだろう。特に河原で出会うオッサンの振る舞いの苦笑系インパクト。心の中にツッコミ担当が住んでいる人には、ここから始まります。

気づいてみれば、寝てもおかしくないぐらい、観察系じっくりシーンばかりで、登場人物の振る舞いも目を見張ることもなく、セリフすら怪しいのです。その割には、「変だぞ」による引っ張りについていくことが出来ました。

これはいまどきの作品に真正面から平手打ちしに来てます。ずっと観客が汲み取りにいかなければならないです。頑張れば集中力がちゃんと持つ程度に硬派な編集がなされていて、ホント、映像作ってる人向けというか、自分も編集で同じシーンを何度も見たよという人に向いています。

それはそうと、中身はどうかと言いますと、河原で出会ったオッサンとのひととき、オッサンの生態が垣間見れる部分が面白がれるかどうかです。なかなか人を選びますよ、これは。いったい、何を見せられているのだろう。どうするんだ、このあと。え、それだけ? 何やってるんだ。そんな意識が常につきまとうのです。このオッサン、いわゆるテレビに映して大丈夫な人?という危うさがあります。

とにかく、ワークショップでエチュードでもやってるのかとさえ思う、作り手側の人の感性に刺さりそうなシーンが続きます。それでいて、「今のどうでした?」と会話するところまでがセット。ですから、この作品は、見終わってから誰かと会話するところまでが作品体験となっていると思います。

ずっと、「このあとどうするの?」という不安のような疑問を持ち続ける作品でした。

正直なところ、寝てる人もいたので「つまらない」「時間返せ」という人が多いかもしれないトーンです。そんななか、たまたま集中力が最後まで持ったので、スコア高めにしています。タイミングやコンディションが良くないと、見てられないタイプと思います。

▲小川あんさん主演作。未見です。


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