隣人X 疑惑の彼女
鑑賞:2023年12月@新宿ピカデリー
人はフィルターを通さずにいられるのか。
異星人が難民としてやってきたというトンデモでも面白そうな設定です。それをスケールの小さい身近な話で展開する。これは好みのタイプだと思いました。見ました。とても無理スジな話の中で、テーマだけはブレないという、芯がある作品でした。マンガをそのまま実写にしたような、リアリティの無さに驚くのですが、設定が異星人とかなんで、愉しめるフィクションかどうかが大事でしょう。
余計なシーンが少なくて、むしろ短絡的なほどトントン拍子に本題に入っていく導入に感心しました。無駄が全然ない。早く、本題を見て欲しい。その思いが伝わってきます。無理スジに付き合えるのか不安にもなりましたが、テーマだけはブレない姿勢が助けてくれました。
シリアスな上野樹里さんと、理由があっても強引に話を展開する約の林遣都さん、いいところを持っていく酒向芳さん。役者さんをずっと見ていたくなる振る舞いの数々も、良かったです。特にシリアスな上野樹里さんは、やっぱり見ていたくなります。
公開記念の舞台挨拶で拝見し、監督の熊澤尚人さん、上野樹里さん、林遣都さんのコメントを伺いました。上野樹里さんのキャラにインパクトが持っていかれるのですが、やはりテーマの核心を強く訴えるお姿に感銘を受けました。
無理スジでも、コンパクトにそぎ落として書かれている脚本。分かりやすさを優先した画づくり。勉強になりました。
▲パリュスあや子さんの原作小説。
▲上野樹里さん作品。
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