おかん、逝くなよ
86才のおかんが亡くなったのは2022年4月18日の朝だった。眠るようにデイサービス先で息をひきとったそうだ。姉から連絡があり電話、メールを爆睡していた自分は気付かず嫁ちゃんも爆睡。連絡から一時間ほどでムクッと嫁ちゃんが起きて気付いた。
おかんとはしばらく会ってなかった。実家の階段で足をいわしてから入院、退院とその後は独り暮らしの姉が面倒を見ていた。コロナ渦の前に姉の自宅ですき焼きをつついたのが最後やった。声も昨年の誕生日に電話で話しただけやった。おぼろげなおかんの声と顔、仮通夜で対面したおかん。他人のようやった。触った頬は冷たかった。通夜、葬儀を兄と姉が段取りしてつつがなく進んだ。火葬前最後のお別れ、身内だけの葬儀やったからたいそうなもんではなかったが、花が好きなおかんにふさわしく棺にはめっちゃいっぱいの花を入れた。あ、そうそう、好きなビールとお菓子も。
皆泣く、兄も姉も兄嫁も甥っ子姪っ子嫁ちゃんも。
でも不思議やった。涙、出んかったよ。不思議やったわ。元来ピーピー泣く事が出来ない自分、想定はしてた。やっぱり泣かなかった。
あれから1年、インフルエンザで夫婦揃って一周忌に出れないという暴挙。
やってもうた。
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