成績が落ち始めて心配している保護者の方へ えっ!? こんなことが・・・ という意外な盲点

企業の人材育成にも関わっていますが、こんなことが人の成長を阻害しているという意外な盲点があったりします。
これは、人を育てると言う点では、子供でも大人でも、人種を超えても同じです。
「人種を超えて」というのはアフリカでも数学を教えていましたので、そこで感じたことと同じだったからです。
(またの機会に、アフリカでの教育で感じた人材育成の本質を書いてみたいと思います。)
では、意外な盲点とは何かというと、(a)〜(d)の4点です。

(a)実は、いじめがある
(b)視力が悪くなっている

  → 2、3ヶ月に一度は視力検査を小学校3年生以上はされることをお勧めします。(病院に行かなくとも、家ででもあそこになんて書いてある?くらいの会話でチェックできます)
(c)そもそもちゃんと、書かれたままのことが写せていない。
(d)そもそもちゃんと言われたまま話を聞けていない

  → これは別に悪いという話ではないので注意下さい。
   (これも長くなるので改めて書きたいと思います。)

(a)は、大人の社会でもあることで、企業の業績が上がらないのはこれが要因であることが現在、分かっています。あからさまな「いじめ」ではないのが、大人社会の陰湿さでもあります。企業にはこれを指導しています。
さて、子どもに話を戻しますと、学校と塾と習い事と子どもの所属しているコミュニティに目を払っておいてあげることが重要です。
子どもの普段の行動を観察し、今までと違った行動が出始めたら要注意です。防ぐための第一歩が子どもを観ておいてあげることです。(「観」という漢字を使わせて頂いたことがポイントです。「観察」が重要なのです)


次に、(b)と(c)です。
1つは、書かれた黒板の通り、「写せるか」、ということです。実はこれが算数•数学で躓いてしまう大きな問題点なのです。
例えば、日本人の子供で多いのが、
 途中まで書いていた数字、「記号」が変わってしまっている
 例えば、式を書いていく途中で、「1」を「7」と書いてしまっていたり、  「÷」を「+」に書き換えていたり。算数に苦手意識を持っている子供は算数の力以外のこのような写しのミスで、自信を失ってしまうことが多いのです。

 そもそも先生が黒板に書いた通りに写せていない
 復習する時に自分のノートで混乱を生むのです。時間の無駄ですし、もちろん何度やっても答が合わなければ、「難しい」と苦手意識を持つことになります。(この点の大きな理由は、「視力」の低下です。)

今、スポーツ界でもようやく「目」の重要性が採り上げられてきています。ちゃんと「見えているか」ということです。野球では、速読トレーニングをした野球の素人が150kmのボールに当てた、という実験もあります。また、150km近くで投げられるボールの位置を間違って認識していたら打つことなど出来ません。(人間には利き「手」同様、利き「目」があります。これが見え方のずれを生み出します)
プロになる前にきちんと「見えていない」選手は淘汰されますからこれが問題になることはありませんが、少年野球ではこれが原因で上達せずに野球を止めていく子がいることは想像できることです。

また、アフリカではこんなことがありました。生徒たちにノートを毎日提出させて、隅々までノートの観察をしていました。(学生時代に、公文で先生をしていたこともあり、生徒の文字とそのプロセスを見る重要性をそこで痛感しました)
そうすると、数学以前に数字の書き間違え、問題の写し間違え(特に図形)が非常に多いと言うことが分かったのです。直線がちゃんと引けなかったり、円が描けなかったり。また、途中の式は理解していても、数字を勝手に変えているから答が合わないのです。(こういう生徒にはそこを改善するように指導していました。「ケアレスミス」をするな、と。「あなたは理解している。しかし、ケアレスミスだ」と何度も何度もやりとりをしました。)

さて、実はこの点に関しては、「少年犯罪」の専門家の非常に興味深い本があります。
(興味があれば、読んでみて下さい。)

ケーキの切れない非行少年たち(図)

少年犯罪を起こした子供が「図形を写しなさい」と言われて写した図です。
元の図と全然違っていることが分かります。

一体、これが彼の人生でどんなに生きづらさを感じさせていたでしょうか。
何度、自信を失うことを繰り返したでしょうか。
(「自信」に関しても別の機会に書かせて頂きます。)

誰も彼の問題点や改善方法を示してくれなかったことが想像できます。そのことが生きづらさを生み出し、結果として少年犯罪を犯してしまった、ということになるのです。
もっと早く、このことに気付いてあげていたら、ひょっとすれば犯罪者にならずにすんでいたかもしれないのです。
だから、こういう可能性もあると大人側が知っておくことで、子供たちを間違った方向に向かわせずに済む可能性があるということなのです。

そして、もう1つが (d)のちゃんと「聞こえているか」という点もです。
ここまで長くなりましたので、また別の機会に書かせて頂ければと思います。

紹介した本はこちらです。

ケーキの切れない非行少年たち(書影)

#中学受験
#成績が落ちてきた
#人材育成
#ケーキの切れない非行少年たち
#宮口幸治

いいなと思ったら応援しよう!