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従業員一人ひとりに日々向き合う。それが、人材マネジメントの根本

人的資本経営への注目度がますます高まるなか、改めて人材マネジメントの在り方がそれぞれの企業に問われている。企業のパーパスやビジョンを実現するためにも、重要な経営資源である「ヒト」をいかに管理・活用していくか。その重要性を理解できていない経営者や人事責任者はいないといっても良いだろう。
だが、環境が大きく変わりゆくだけに求められるマネジメントスキルはより高度になっており、キャッチアップしきれていないのが実態だ。ならば、何に重きを置けば良いのか。
神戸大学大学院経営学研究科准教授の庭本 佳子氏は、「人材マネジメントの根本に目を向けること」だと指摘する。その意味合いを語ってもらった。


インタビューの前編では、人的資本経営やジョブ型雇用に対する見解、人的資本の開示状況などを伺いました。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • 学術的な観点では、人的資本経営に目新しさは感じない

  • 人的資本の情報開示では、ダイバーシティ関連の指標が目立つ

  • 情報開示を機に人的資本経営に向けた取り組みが加速すると見込む

  • 自社が置かれた状況の中で雇用の在り方を考えるべき

  • 多様化が進む時代だからこそ、自社の立ち位置が問われる


【後編はこちらから】

■後編の目次

  • 戦略人事の実現に向け、人事には高度なスキルが求められる

  • 環境変化に適応するためにも「ダイナミック・ケイパビリティ」に着目

  • 柔軟性という中小・中堅企業ならではの強みを発揮してほしい


庭本 佳子 氏
神戸大学大学院経営学研究科准教授

2008年、京都大学法学部卒。2010年、京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻修了。2015年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)。摂南大学経営学部講師を経て、2017年より現職。専門は、人的資源管理論、経営管理論。主な論文・著書に「経営戦略論から見る知的熟練の意義」(『日本労務学会誌』第23巻1号、16-23頁、2022年)、『経営組織入門』(編著、文眞堂、2020年)等がある。