中小企業 2代目、3代目経営者のデジタル改革奮闘記:第23・24回・25回 公開
今回は、東京反訳株式会社東京豊島区の第2代代表取締役社長である田邊英司氏と取締役の武田晶子氏を取材した内容を紹介したい。田邊社長は昨年2023年6月に就任し、創業者であり、初代の代表取締役の吉田隆氏は代表取締役会長になった。
東京反訳の設立は2006年で、2024年で18年を迎える。創業当初から、主に文字起こしテープ起こしの事業を行う。大学や研究機関、企業、医療施設、公的機関、法律事務所などの会議や打ち合わせ、商談やヒアリング聞き取り、取材などで録音されたやりとりや発言を時間内で書き起こし、発言録にした原稿として納品する。
最近はZoomやMicrosoft Teams、Cisco WebexなどのWEB会議ツールで録画したデータの文字起こし、英語他多言語の翻訳、E-learningやマニュアル用動画などの字幕作成サービスの依頼も増えている。創業時から2024年6月現在までの総受注件数は、20万件程になる。
高い品質の原稿を作成することで高い評価を受け続け、業績を拡大し、2023年の売上は6億6千万円。正社員数は40人で、外部委託として文字起こしをするリライター主に個人事業主で、東京反訳では「ワーカーさん」と呼ぶは実稼働約600人。売上、社員数、リライターの数がこの規模に達している文字起こしの会社は全国で数社しかない。
前編のもくじ
多数の文字起こしとは異なる分野で信頼を勝ち得る
高品質の原稿作成にこだわる
安さと速さで競い合うことはしない
600人のリライターと「顔の見える関係」をつくる
マーケティングとブランディングで明確な差別化
社長を譲り、ホールディングスの運営に
インターネットで見つけてもらえる会社を目指す
いかに誠実で、安心な会社であるか
後編のもくじ
文字起こしのマーケットが変わってきている
2代目就任のいきさつ
創業者は”鋭い経営センス”
10億円の壁を超えようとする場合の課題
10億円を狙う新規ビジネス
創業者のようなリーダーシップは私にはできない
創業経営者としての美学
基幹システムで差別化
最終編のもくじ
高品質の原稿をつくるためにITデジタルを積極的に活用
3人のシステム担当社員が常にバージョンアップを試みる
ワーカーさんとともに成長する
人間品質を高めることでAI音声認識のツールと差別化
創業者の「経営者としての責任感と縁を大切にする姿勢」
創業者の義理堅さや経営者としての責任感
人材の育成が今後の課題
社員各自が主体性を持ち、仕事に向かう