垣根涼介。ただその一択。
JOBRASSのマツダです。
あえてですね。あえて多忙の就活生が、GWにエンタメ小説を読むなら?
(いや、すべての日本人に読んでほしい、ほんとは。)
朝井リョウ氏の『何者』?
朝比奈あすか氏の『あの子が欲しい』?
いやいや、このしんどいときに、就活小説は読みづらくないですか。
(『何者』好きですけど)
こういう本はどうでしょう?
・リストラ代行というダークな話だが、ジンジャーエールのような読後感。
・知らない業界、職業の人の仕事ディティールが知れる。
・職業選択、生き方、自分の哲学、仕事の流儀などがキーワード
・筑波大→レーサー目指して挫折→リクルート出身のイケオジが著者
垣根涼介氏の著作『君たちに明日はない』(新潮社のページに飛びます)
▼要約
「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。(新潮社より)
この本が私に与えた影響は、計り知れません。
まさに月並みな言葉で、人生の転機をくれた本。
あれはちょうど、院進学が決まった大学4年生、南米への卒業旅行のとき。
ボリビアのラパスからペルーのクスコまで長距離バスに揺られながら。
何時間も暇を持て余す道具を持ってこなかった私に、友だちがブックオフで100円で買ったというこの本を読ませてくれました。
(というか、友だちが置き捨てようとしていたのをもらいました。垣根さん、スミマセン…。)
それまで、自分が企業勤めをするとは思ってはいませんでした。
「ぼかぁ、大学院を出て研究者になるんだ」と思っていました。
ところがどっこい。
『君たちに明日はない』を読んで、
「人材業界で働きたい」と思うようになったんですよね。ザ・単純。
「世の中にはこんな仕事があるんだ」
「どんな仕事も大変そうだなぁ」
「でも、こんな物知りな感じで人の心を見抜きたい」
「というか、いろんな仕事をしている人の話を聞きたい」
「欲を言えば、主人公みたいに人生を左右する体験をしてみたい」
90%は不純な動機かもしれません。
著作の意図も汲み取っていないかもしれません。
ただ、未知を、無知に変えてくれたんですよね。
「おもしろい」と思う本はたくさんあったけれど、「こんなふうになりたい」と思わせてくれる本は、この一冊だけでした。
院に進学し、就活をしていたとき。
のちに新卒で入社した企業の最終面接で…。
「人材業界を選んだ理由は何ですか?」
「ある本をきっかけに、多くの人生の転機に携わりたいと思ったからです」
「どんな本ですか?」
「リストラをさせる仕事の本です」
「え・・・?」
「え・・・?」
どうして内定を貰えたのか、わかりません。
あのとき捨てられそうだった本が救ってくれたのかもしれません。
ただ今でも、企業を変えても、仕事を変えても思っています。
「誰かの人生の一部をほんの少しでも、良くしたい」
そんな私の人生を、私は歩んでいく。
こんなポエマーな私と、今後も仲良くしてくれたらうれしいです。
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ちなみに垣根涼介氏の著作は、その後、全て正規価格で購買し、読破。
おススメは、『ワイルド・ソウル』と『ヒートアイランド』です。
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