塗色・規程調査Part1の速報(4)
皆さんこんにちは。
調査概要記事の4回目です。今回は大正5年~6年分を扱っていきます。
↑前回記事はこちら
T5年8月 注意事項
客貨車ニ標記スヘキ自重其ノ他ニ就テ
当時の客貨車の重量換算基準について、整理した注意と考えられます。
内容を要約すると以下の通りです。
一 1噸は1693斤44に換算する
二 客車の重量は噸を用いて 小数点2位まで(3位以下は切り捨て)で標記する
三 貨車の自重は斤と噸を用いて標記する。噸は小数点以下2位まで。
斤は50斤を1単位として表し、0,50以外の端数が出た場合は25・75を
基準として、0,50のうち近い値に丸める
四 貨車の総重量は斤を用いて表す。標記自重は積載荷重(斤)に
換算斤数(積載重噸を一の定式で換算した重量)を加算した値とする
※翌日の公報でM43年4月、T2年3月、T3年5月公報掲載分の同名注意を取り消している(同名注意は筆者未確認)
T5年10月 注意事項
「専属客車常備驛名畧號」追加
・西部鉄道管理局内に豊岡(トカ)を追加
T5年12月 達第1244号
「車輛塗色及標記方式」改正
・客貨車の車体に位置呼称を表す数字を標記するように指示
※鉄道車両は1位(前位右側)や4位(後位左側)といった表現を用いることで、車両の前後左右を一意に定めている。この改正では、それらを車体外部に標記するように指示していたと考えられる。
T6年5月 達第373号
「車輛塗色及標記方式」改正
・「客貨車において基本軸を使用する車両はアクセルボックスに軸の種類を
表す「七」もしくは「十」を標記する」旨の但書を削除
T6年5月 達第398号
「車輛塗色及標記方式」改正
・客車の所属標記文字(配属事務所及出張所頭文字)に「静」の字を追加
T6年6月 達第517号
「車輛塗色及標記方式」改正
・図面中に書かれていた「「バッド」檢査標」を「仕立檢査標挿」に改める
・「客貨車標記位置」(図面)の注意事項に「局部定期檢査標ハ仕立檢査標
挿ノ上部ニ取付クヘシ但し車體ノ構造ニヨリ其ノ左側ニ取付クルコトヲ
得」の文言を追加
T6年7月 注意事項
「専属客車常備驛名畧號」追加
・九州鉄道管理局内に吉塚(ヨシ)、早岐(ハヤ)、人吉(ヒト)等を追加
T6年9月 達第834号
「車輛塗色及標記方式」改正
・客車標記文字に「サ」を追加
※達第833号で車両称号規程が改正されており、付随電車に制御器が取り付けられているか否かで「ク」と「サ」を分けるように指示している
つづく…(Part1としては、次回最終回?)
2024年8月17日 第1版公開
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