キャリアチェンジは可能である

キャリアチェンジというのはたとえば営業から経理へとか、事務職から調理師へとか、大工から運転手へとかといったような現在就いている職種業種から別の職種業種への転換という意味で捉えている。

一般的にはそういった他職種他業種他部門への転換は難しいとされ、日本においてはかなり困難さを要するという認識が常識とされている。さらに、働き方の多様化によって常用雇用である正規社員のほか、派遣労働や契約社員、パート・アルバイトといった雇用形態は多くなり人それぞれが選択できるようになった。このことは一見、ポジティブに目に映るかもしれないが実状はそうではないことはほとんどの人が認識されていることと思う。

特に、一度非正規社員として雇用されると(自発的であれ非自発的であれ)なかなか正規社員として雇用されない現状である。特に中高年齢層になるほど正規社員へと門戸は閉ざされていく。そういった現実がこの社会にはある。

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自分はかつて、約10年くらい前に大怪我が原因で失業し、それが発端となってキャリアの危機をこれまでずっと抱えてきた。約10年間に渡り、非正規社員として雇用されてきた。それによって様々なものやことを失った。同時は自分はこれから何をどうすればいいか全くわからなかった。自分の何が悪いのか皆目見当もつかなかった。自分自身や自分のそれまでの行いのすべてを否定することすらあった。

それでも、心のどこかにはこのままではだめだ、なんとかせねばと、あれこれ思考を巡らし、試行錯誤を重ねた。その結果、自分はもっと賢くならなければだめだ、だからこんな風なことになるのだと思うようになった。それは学力というようなことではない。人生を生きる術を身につけるといったような賢さー今なら社会的スキルと言えるがーといったような知性が自分には必要だと結論づけた。

そしてやっと放送大学という答えを導きだす。これでもまだ5年前である。そのときにはまだ漠然と心理学を学びたいとしか思っていなかった。自分はこうなりたいなんて全くなかった。それから少しずつ心理学を勉強しだしてようやく、人の役に立ちたいとぼんやりと思うようになるのである。それでもまだ、具体的な職種や分野領域なんて考えてもいなかった。

結果的にはひょんなきっかけからキャリアコンサルタントという国家資格の存在を知り、取得を目指すようになった。これが去年である。一年前になってようやく、自分のこれからのキャリアの具体性があらわれてきた。

それでも、これまでの約10年に渡って非正規社員であったこと、キャリアコンサルタントという資格を生かすにはこれまでの経歴があまりにも畑違いであること、さらには年齢的にも正規社員につくこと、キャリアチェンジを果たすことは困難を極めると予想していた。案の定、就活は非常に厳しいものがあったが、それでもやはり、国家資格という威力は大きかった。予想してたよりも結果的に正規社員としてキャリアチェンジを果たせる第一歩を踏み出せるようになった。これはまさかまったく思ってもみなかった。

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世間一般では、一度非正規雇用されるとなかなか正規で雇用されないとか、全く違う世界の仕事に就くのは若くない限りはまず無理だ、といったことが常識的に広まっている。確かにそうだろう。しかし、そうだからといって何もしなければ何もできないしどうにもならない。

自分はこうしてキャリアチェンジを果たせる準備ができた。この自分でさえできるのである。

一応はモデルケースとなれる、参考として助言できる、人にこうすればいいですよと経験から話すことができる。あきらめかけている多くの人にできることをする。年齢なんて関係ない。他者が言ってることなんて関係ない。社会がどうだなんてどうでもいい。自分はどうなりたいのか、自分はどうしたいのか、誰のためにどのようなことをしたいのか、それによって他者には何をもたらせられるか、それによって自分は何を得られるか。こういったようなことを僕はできる限り支援したい。必要とされるなら。

とにかく考えることが重要。
考えなくなったらその時点で終わる。

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