『花嫁の手紙』、感動的じゃなくてもいいじゃない?
私は結婚式で、涙が一滴も流れない『花嫁からの手紙』を読んだ。
涙涙の手紙と期待されても困るから、冒頭にそう入れておいたのだ。
詳しい内容は割愛するが簡単に書くと、
・昔から自分の中で『将来できれば避けて通りたい出来事ランキング』の上位に❝単身赴任❞という4文字がランクインしていたこと
・まだ今も道に迷いながら人生を歩いているところで、カッコいいセリフは言えない。でもいつか、いい感じになってきたじゃない?と言ってもらえるように生きていくのでどうか長生きをしてほしいこと
あと、育ててくれてありがとうというワードと、相手の親への感謝の言葉は含めている。
というかむしろ、相手の親への言葉が半分くらいを占めていて、
「なんか向こうのご両親に育ててもらったみたいな手紙だったんだけど!(笑)」
とすら言われたものだ。
私の母は一応ハンカチを準備していたらしいのだが、
「なんかおもしろい手紙だったわ〜(笑)でも、ツナらしくてよかった!」
という感想をくれた。
私は結婚式に、親族と親しい友人を数人しか呼んでおらず、ほとんどの人が自分のキャラを分かってくれていたからこそ読みやすかったのはあると思う。
でも、もともとは花嫁の手紙自体やらないつもりだった。
だって、
「お父さんとお母さんの子どもに生まれてきて、本当に私は幸せものだよ。。」
なんていう感じの家族でもないし、自分もまったくキャラではない。
一応ネットで、「花嫁の手紙 例文」って検索してみたんだけど、どれもまぁ感動的で。。。
そもそも例文を調べてしまう時点で、「なにやってんのや自分。」とは思っていたけど。
「ってか別に、感動的じゃなくてもよくない?」
ふとそう思い、もう自分らしく、少し笑ってもらえるくらいの文章でいこうと決めた。
誰もがみんな、親へそんな素直な感情だけを持っているわけではないはず。
複雑な気持ちもあるだろうし、人前で読むのが苦手な人だっている。
だから、「これなら読めるかもなっ」っていう自分のスタイルで、ある意味もっと気楽にラフに読めばいいと思う。
もちろん読まなくてもいいし、手紙だけそっと渡すとかでもいい。
ちなみに私は手書きすら間に合わず、Wordに入力したものを式の前日に印刷した。
そして裏側に❝花嫁の手紙❞と大きく色鉛筆で書いて、「うーん、なんだか可愛さが足りないな?」なんて思って、お花のシールも貼ったよ。
近くの席に座っていた友人たちはこの裏側の文字とシールに気づいてくれて、「ウケる」とズームして写真や動画を撮ってくれていた。
感動的な手紙が書けるならそれに越したことはないけど、家族の形も様々なんだから、ちょっと笑ってしまうような手紙があってもいいのかなと私は思う。
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