複雑で不確かだからこそ、両立を強く意識する。【両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ】
みなさん、こんにちは!JMAM 出版部 イベントプロデューサーの西舘聖哉です!
弊社では、組織開発に関わる方や学びを深めたい方に読んでいただきたい書籍を数多く出版しています。
今回は、複雑で不確かな時代に突入している昨今において、その中でも答えを掴み取ろうとする時に抜け落ちてしまいがちな、選択肢を広く多様に持ち続ける考え方、両立していくための考え方を、書籍『両立思考』から探っていきます!
二者択一を手放すとは?
本書のタイトルにもある言葉として「二者択一」があります。
判断を迫られた時、「これ!」という答えを出すことはこれまでの世の中の前提・当たり前とされてきました。
しかし、デジタル革新やグローバル化、VUCAと呼ばれるようになった複雑で不確かな世の中において、この択一的な選択は正しいのか?
そうではなく、様々な答えを柔軟に選択し、多様性の中で価値を発揮していくのが「両立思考」の考え方になります。
これまで教えられてきた「答えを求める」というアプローチから、その時その時に応じて「答えを柔軟に選択していく(手放さない)」ための新しいアプローチにシフトしていくために、個人・組織、どちらの立場でも新しい考え方を学ぶことが求められています。
両立思考を成す『ABCDシステム』
本書の中では、両立する思考を成立させるためのアイデアとして、ABCDシステムが紹介されています。
それぞれ、前提、境界、感情のマネジメント、動態性と位置付けられています。
『前提』
世の中の複雑さ、不確かさを形成している要因としてどのような前提があるのか、それぞれを紐解くことで、複数の前提に折り合いをつけることが可能となります。
『境界』
世の中の物事のどこに境界があるのか、接続できるものなのか、切り離した方が良いのか、境界を見極めることで、目の前にあることが両立できることなのかを判断することに役立ちます。
『感情のマネジメント』
誰しもふとした時に、感情に任せて、自分の価値観のみに偏ったアクションをしてしまうことがある。
それを一度飲み込み、今の状況を客観的に判断することができれば、より良い答えを導き出すことができる時もあります。
『動態性』
偶然(セレンディピティ的な要素)を受け入れ、これまでの当たり前を前提にするのではなく、変化を受け入れていくこと(≒ アンラーニングしていく)で、択一の答えではなく、両立的な答えを導いていくことが可能になります。
これらを身に着けていくためのアプローチが本書で紹介されています。
両立思考を身につけるための学び
新しい考え方を学ぶためには、それそのものを覚えるだけでは駄目で、様々な分野の知識・考え方のアップデートが必要になります。
そのために、分野ごとのアップデートのヒントになるJMAMの書籍も合わせて紹介させていただきます。
組織運営
組織運営の考え方は、近年大幅に変化してきています。
何が適切で、何が適切でないのか、それを判断するために、最新のマネジメントナレッジを身に着けていくことが重要になります。
また、コミュニケーションを学び改善していくことも、組織運営の幅を広げるために有効になります。
学び方
日本の社会人の学びの時間は諸外国に比べて非常に少ないと言われています。
複雑で不確かな時代においては学ばないということは、新しく起きた事象に対処できない状態を作ってしまうことになり、非常に危うい立場に身を置くことになるため、近年急速に注目度を増している「越境学習」や「探究学習」のような、新しい学びを大人も積極的に取り入れていく必要があると言えます。
心理的安全性
職場での人間関係は、より柔軟に、より複雑なものになってきています。
そのため、より良いコミュニケーションを行う必要があります。
近年、ますます耳にするようになってきた『心理的安全性』は、その前提知識となる大事な考え方で、これがある組織と無い組織では、仕事のパフォーマンスやマインドセットが大きくことなってきます。
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両立思考については、監訳に携ったアルー株式会社様でも紹介されています。
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