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「言葉にならないこと」を言葉にするという矛盾にどう立ち向かうか ~羽黒山伏と考える、答えが出ない「問い」への向き合い方④~

2018年12月12日に行ったイベント(「感じる知性」を取り戻そう! 羽黒山伏と考える、答えが出ない「問い」への向き合い方)の内容、ほぼ原文そのままです。

*写真の一部は下記からお借りしています

https://www.facebook.com/yamabushido/

○修験道は「口伝」で、曖昧なもの

星野:それでね、あ、はい、どうぞ。

客席:すみません。「感じる」という「言葉にならない世界のこと」を、「本にする」ということ自体が、難しいんじゃないか、と思うんですけれど。そもそも矛盾しているというか・・・・・・
(編集注:この部分、音声がよく録れていませんでした。申し訳ありません。意図とちがったらご指摘ください!)

渡辺:その通りなんです。

星野:だからね、何と言うのかな、その人の「言葉」が、その人の「言葉での表現」だと思って。本なんていうのは、参考文献でダーッとあるじゃん。俺、ほんとうの表現は、ああいうのじゃないと思ってる。参考文献は要らないよ、俺から言わせれば。
だから俺の場合は「文章をつくる」というと、なかなかこういうふうにはならないんだけど。でも、それをあえてやっていくところにより、今回のそういうところからひとつの壁を破っていくものができないのかな、という話なんだよ。かなり難しい。だから、こうして皆からいろんなことを聞いて、「皆で作ろうよ!」というところにいったんだと思う。

今までの俺の本の場合、まあ要するに、修験道というのは口伝だから、書き残さない。だから「先達、本にできませんか?」と言われた時に、「修験道は書き残さないよ、口伝で伝えているから」と言ったんだ。
口伝というのは曖昧だよ。修験道というのは曖昧なものだから。日本民族そのものは、曖昧性だからさ。をハッキリさせない民族だからね。いろんなものから引っ張り出してきて書いちゃうと、それが「答え」のようになっちゃうだろう?だから俺の本の場合は口伝です。自分の言葉として出てきたものをそのまま本にしたやつです。
だから、あえて皆の知恵で本にできないものだろうか、というのが今回の企画なんだよね。

○「感じる知性と経営」――「考えること」ばかりでは、仕事は行き詰る

渡辺:ありがとうございます。本当に、私たちもそこにどうやって答えを見出したらいいかというのを、編集の柏原さんと一緒に3人で喋っていた中でそういう話もやっぱり出てきて。「こうやっていろんな方と関わりながら作っていきたいね」という話をしていたので、本当にありがとうございます。
それで、背景をちょっとお話しておくと、私は普段キャリアコンサルタントとして企業でいろいろ研修をしているんですね。これから正解がない、変化の激しい中で、どうやって最適解を見つけていけるのかを考えたとき、一人ひとりの感性を活かしながら仕事をしていけるのかということが、本当にに大事なテーマになっているなと思っていて。
ふだん、いろんなビジネスパーソンと接しているんですけど、「考えること」が優先で、「左脳が大事!」「理論大事!」がみたいに、すごく偏りすぎちゃっていて。「流れに沿っていく」というか、「身体的に沿っていく」というか、「感じたもの」から生み出していくというところを磨いていかないと行き詰まるんじゃないかなと感じていたんですね。
それで、先達のところで何度か修行させていただいたり、こうやってお喋りをする中で、ある日、先達が、こんなことをおっしゃったんですね。
「ビジネスパーソンの方を修行にお連れした時に、感じる知性と経営という言葉が降りてきたんだよ、キヨノ!」。
ビジネスの現場に「感じる知性」がすごく必要なんじゃないかとおっしゃって、「いや、私もそういう問題意識を持っていて」みたいなことをお話をしてここに至ったというところがあるんですね。

今までの2冊のこの先達が書かれた本というのは今おっしゃったように口伝で、先達がお喋りして、それを記録に残していったという感じの仕立てで。すごく読みやすくて素敵な本だなと思うんです。
でも、「ビジネスパーソンに向けて何か役立つ知恵が残せたらな」というところが、今回やってみたいことなんですね。

というような背景があって、一方的に私達にお話をする時間が少し長かったので、ちょっとここで皆さんにもお話していただく時間を入れたいなと思います。
ここまでいろいろ聞いていただいたので、グループの中で、今までのお話を聞いたり、私たちの背景の話を聞いて、「思うこと」とか、逆に「こんなことを質問してみたいよね」とか、普段のビジネスの現場なり、日々の生活営みの中で課題に感じていることとかというのをグループの中の方たちとお話ししつつ、良かったら模造紙とか付箋とかあるので、書き残しておいていただけると嬉しいと思うんですね。私たちも後で回って見られるように・・・・・・

○魂が強い経営者が、うまくいく

星野:それでさ、清乃。
「感じる知性と経営」という俺から出た、というのはどういうことかというと、やっぱりすべての組織のトップ、社長さんというのは、「決断」「決断」じゃないですか。決断する時さ、下から上がってきたデータだとか、論理的な裏付けとかさ、そんなのをもとにして決めないんじゃない?直感じゃない?実際は。決断する時というのは、迷うことなく「直感で」、が多いと思う。それを気づいた時に、結局は「感じる知性」じゃん、いざ決断という時は。そう思ったんだ。
現実の中で多分社長さんというのは結構直感でやっているんじゃない?その直感の強い人がうまくいってるんじゃない?
俺はよく社長さんたちの場に引っ張り出されて、話をさせられるんだけども、その時に最初に言うのは、「たぶん社長さんというのは私から見ると魂が強い人です」。「魂が強い」と言われても、「えー?」というような顔をしているんだけれど、社長さんの仕事というのは、結局は「決断」でしょう?決断する時に部下から上がってきたデータだとかさ、裏付けだとかさ、そういうのをあてにして決断しますか?結構直感でしょう? そう言うとみんな、「うーん・・・・・・」と。そういう現実があるから、これは諸につながる。
そこへ行くまでのいろんな過程の中で、皆がわかるようなことを本にしていくということなんじゃないか、とね。

だから、先はわからないよ。それでいいと思う。進んでいく過程が「感じる力」になっていく。

俺、言ったろう?「物語は後付けでいい」って。物語は後付けなんだよ。山に入って生まれ変わったような清々しさがあって、生まれ変わったような気がする。それがあったから考えて、「三関三渡思想」なんかできわけだろう?現世・過去・来世の時空間をつくっちゃうわけだろう?そういうことだよ。
今、そこまで踏み込んでいる。あとは皆がいろんな話をしたり、考えたり。

渡辺:感じたことを話していただいたらいいですね。

星野:まあいいんだよ、考えても感じても。

渡辺:(笑)。どっちでもいい。

星野:どうせね、考えても「考えたこと」しか出てこないから。その先なんだよ。こうして何度かしていくうちに、わたかないけれどもそれが見えてくるんだよ。
ところが、先が頭でわからないと「Go!」しないだろう、普段は。ところが、今回のワークショップは「Go!」したわけだよね。先がわからなくても「Go!」していくわけだよ。きっとあとからわかるよ。

渡辺:後からわかる。

○未来は、考えてもわからない。「感じ取った者勝ち」

星野:その場になった時に出てくる。なんだって、そうじゃん。先のことはわかりっこないよ。見えないもの。
神様は見えない。だから、「神様はここにいるような感じがする、気がする」からそこに祀ってきたんじゃない?
我々の、1時間後だって、ねえ。

(編集注:このタイミングでフロアの電気が消灯 *毎日20時に電気が落ちるしくみになっています)

星野:ほら、電気だって消えちゃう。1秒後も何がわからないだろう?何が起きるか。

渡辺:本当ですね。

星野:先のことというのは見えない世界だから。それを感じ取った者勝ちなんだよ。感じ取った者勝ち。1年後こうなるような気がする、感じがする。そのほうがずっと正しいよね。だって、神様は見えないんだもん。
それを頭で考えて、「ここがこうでこうだから神様がいます」なんて言えるかい?それと同じなの。先のことが見えない世界なの。

渡辺:じゃあオチがどうなるかわかりませんけど、とりあえず話していただいて、一旦ブレイク入れて。

星野:今から始まるんだよ。今から楽しいことが始まるんだよ。

渡辺:じゃあグループの方とお話したり、おやつを召し上がりながら。時間はある程度取って、お知らせはほら貝でしますか?

星野:そうだね。お知らせは清乃のほら貝で。

渡辺:・・・・・・あ、私ですか?どうしよう。はい、じゃあほら貝でお知らせしますので、お願いします。

(編集注:法螺貝の音で休憩へ)

(第5回へ続く (仮)「感じる」はどこから来るのか? )



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