独学で学びなおしを目指す 基礎から鍛える量子力学
こんにちは、note編集部です。今回ご紹介する書籍はこちら。
量子力学の教科書決定版!
「基本の数理から現実の物理まで一歩一歩」とあるように、自分の言葉でじっくりと量子力学を理解したい方、社会に出てから改めて量子力学を学びたくなった方、量子力学に初めて触れる大学生・高校生におすすめです。
目次はこちら
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はじめに
第1章 日常の底にあるもの 〜位置と速度〜
第2章 ニュートンからハミルトンへ 〜古典力学の洗練〜
第3章 量子の表し方 〜重ね合わせの原理〜
第4章 ベクトルことはじめ 〜矢印で表されるベクトル〜
第5章 本当のベクトルの世界へ 〜ベクトル空間〜
第6章 ベクトルをあやつるもの 〜線形演算子〜
第7章 量子を表す道具たち 〜固有値・固有ベクトル・エルミート演算子〜
第8章 量子力学の完成 〜行列力学〜
第9章 シュレディンガー形式へ 〜波動力学〜
第10章 シュレディンガー方程式をどうやって解く?
第11章 自由粒子
第12章 定数ポテンシャルとトンネル効果
第13章 調和振動子
第14章 水素原子
おわりに
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読者が「量子力学の基礎を修めた」と自信を持って言える1冊を目指した書籍。第1章から第14章まで細かな項目に分かれており、さらに各章のなかでも数式を丁寧に読み解き、小さなゴールを積み上げていく構成となっています。タイトル通り「基礎から学びたい」「学びなおしを測りたい」という方にとって、時間をかけて取り組みやすくなっています。
複雑な箇所についてはマークをつけているため、全体を読んだあとに該当箇所を繰り返し読みなおすこともでき、この1冊があれば独学ができるでしょう。読者の理解が進みやすい仕掛けが施されています。
「はじめに」のなかで、著者である松浦壮氏は「本書は、量子力学の表面をなぞるだけの啓蒙書ではない」(P10)と触れています。
その通り、基礎となる数理・物理から出発し、丁寧なステップを積み上げながら、量子力学のスタンダードな計算を自分の手で解く構成となっています。
古典力学・ベクトルと線形演算子・ハイゼンベルク形式(行列力学)・シュレディンガー形式(波動力学)などの「量子力学の構成」について学ぶことができ、体系としての量子力学を理解し、シュレディンガー方程式を手計算で解くところまでを目指します。その後に自由粒子、トンネル効果、調和振動子、水素原子などの個別の解説が続きますが、こちらは本書を読みながらより深くしりたい内容は類書なども参考にしてもよいでしょう。
ページ数にして424ページ。手に取ってみるとその厚さに驚く方もいるかもしれませんが、本気で学びなおしをしたいと考える方の初めの一歩になる書籍です。著者自身が“「初学者のときにこういう本がほしかった」という内容にしたつもり“と話す、量子力学の基本書。
時間が取れる年末年始や長期休暇にじっくりと取り組んでみてはいかがでしょうか。