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ホテルサービス その705 - ナンバー皇1 -

日本のホテルマンとして最も光栄な事は皇族の方々への接遇だと思います。

天皇陛下が諸国を訪問される事を行幸と申しその際に乗車される車を御料車といいます。

私は光栄なことに昭和天皇の御料車を目の当たり10cmの距離で見たことがあります。

昭和天皇の御料車は全長約6m全幅約2m。

ぐるり見回しても社名やロゴそして車種名は全く表示されていませんでした。

(車種はプリンス・ニッサンロイヤル製造だと後日それとなく教えられました)

御料車の前後に輝いていたのは直径10cmくらいの金色菊の御紋と皇1ナンバープレート。

ナンバープレートも無く「皇」に番号が付いたものが掲げられているだけというもの。

天皇陛下が腰掛けられる後席キャビンは2畳敷くらいの広さにゆったりとしたシート。

当然ながら窓は防弾で運転席と陛下の車室はガラスで仕切られていました。

ボディーは鋼鉄製で体当たりした車が弾き飛ばされる強度と言われていました。

そんな貴重な御料車を皇宮警察官の立会いの下で少しだけ触れる事を許されたのです。

👮車に触れて良いよ!
🙋‍♂️本当ですか?
👮‍♀️ちょっとなら🤏
🙋‍♂️指で軽く触れると重厚な金属音💰
👮‍♀️あっ叩くんだったら逮捕するよ(^∇^)
🙋‍♂️ひぇー触っただけです勘弁してください
👮‍♀️やりたくなるよなぁ〜優しくしなよ❣️

という風な寸劇が繰り広げられました(^○^)

ホテルに来る世界中の有名な超高級と謳われている車を見て触れたことがあります。

御料車はそれら超高級車とは全くの別物で一生に一度見て触れる事はこの先も叶わないもの。

高級ホテルに勤務していて良かったと心より感動したものでした。

昭和天皇は小柄な方だったので御料車に乗車される姿勢も頭を下げることなく乗り込まれ座席に着かれたのは印象的でした。

当時の陛下の肉声『眺望の良い部屋で行き届いた世話をしてくれてありがとう』というお言葉は今も明確に耳に残っています。

余談ですが。
王位継承の順位に入る皇のサービスに従事するスタッフは宮内庁に名前が登録されます。

そして…
親族に至るまで犯罪歴が無いか調査をクリアーし初めて皇族の前に出ることが許される。

しかもこの調査も結果も本人には分からない様に極秘に行われています。

たとえひと時でも天皇陛下と同じ室内空間に置いて頂いた事。

その後も皇太子殿下を始め皇族の方々への接遇をさせていただけた奇跡。

いずれも私の人生に於いて最も名誉な接遇経験となり今に活かしています。

明日はGlacierについて…
書いて参ります✍️

HOTEL DIRECTOR

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