ブックレビュー:緊急提言Eポートフォリオ構築法
数ヶ月前まら、教育現場では「Eポートフォリオ」という言葉がよく聞かれるようになりました。
しかし、Eポートフォリオについて、私は具体的にしっかり理解できていませんでした。
このような理解レベルの私に、Eポートフォリオにぜひ深く関わりたいと思わせてくれる本に出会えました。
私が尊敬する西川純氏のご著書です。
文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業が構築したJAPAN e-Portfolioという大学出願ポータルサイトに、高校生が自分たちの日々の実績をログしていくわけですが、多くの教員がEポートフォリについて自分の負担が多くなるため面倒だというネガティブな気持ちを抱いていると思います。
この本を読むまでは、私もEポートフォリオについてネガティブなイメージを抱いていました。
私がこの本を読んで一番腑に落ちたのは、
「どうすればいいの?」というKnow-Howではなく、
「何故必要なの?」というKnow-Whyの問いかけが
ポートフォリオを作成する際に必要不可欠だ
ということでした。
西川純氏は、
新たなポートフォリオはブランディング、つまり、自分自身の商品価値を高めるために必要だ。
と断言しています。
この本では、子どもたちの未来がどのようになるのかという予測が記されていますが、その内容があまりにもリアルで、自分が担任する生徒たちの顔が何度も浮んできました。
子どもたちが大人になる社会では約半数が非正規雇用になります。
そのため、子どもたちが今一番しなければならないことは「仲間」を作ることです。
現在、私のクラスには、一人ぼっちでクラスに仲間がいない生徒、
仲間が一人しかいない生徒がいます。
彼らが大人になったとき、終身雇用がない状況で、中高年以降に自分の力だけで新たなキャリアを構築するのはかなり厳しいと考えます。
多くの場合、「知人」からの紹介によって新たなキャリアチャンスを得ることができるのです。
また、生涯孤独を防ぐためには、同じ職場以外で、多数で多様な知人をできるだけ早い時期から作る必要があります。
以上のことから、子どもたちの命を守るために、学校で信頼できる仲間を持てる環境を作るのが私たち教師の使命だと考えます。
それをできるのが『学び合い』なのだということを、この本を読んで改めて気づくことができました。