「中学受験は公立一択!」天才でもない子どもを無理やり私立中に入れるとマザコン・コドオジ・中年童貞に育つ危険性が高まります【中村淳彦の名前のないコラム】
新年度、愛する子どもの進路について悩む保護者も多いでしょう。なんとなく「私立がいい」といったような曖昧なイメージがありますが、それって本当でしょうか? 中村淳彦さんが断言するのは「都内なら公立一択」。その理由は……
公立中学校の何が気に入らないんですか?
ノンフィクションライターの中村淳彦です。
教育ママたちが「私立中か公立中か」みたいなことを熱く語りまくっていますね。今日はどう考えても、公立中学のほうがいいんじゃないかって話をしていきます。
ちなみにもう40年前ですが、僕は私立中学校に行っています。小学校のときにあまりガリガリ勉強したわけじゃないけど、自分から進んで「中学受験したい」と親に言って受験しました。理由は、公立中学校のヤンキーが嫌だったからです。当時はそういうイキった暴力を背景にした底辺ヤンキーみたいな連中がたくさんいて、そういう人たちとかかわりたくないので、温室な環境を求めて私立中学を希望したわけです。
親に無理やりやらされたわけじゃないので、めちゃめちゃ勉強させられたわけではないです。勉強は苦手だったけど、塾も自分で探して行って少し勉強して、合格したから私立中学校に行きました。まぐれで受かってしまったから落ちこぼれて、そこから人生すべてが底辺になってしまったという流れがあります。
で、僕の底辺はもう計り知れない底辺なので、そうならない方がどう考えてもいいわけです。息子が今大学2年生で、息子は学校ブランドみたいなことにまったく興味がなかったので、普通に公立中学校に行っています。
いろいろ放っておいて、普通に公立中学校行って保護者として公立中学は経験しましたが、都内に限ってはめちゃめちゃいいと思いましたね。僕が授業を受けてるわけじゃないので正確なことはわからないけど、親として見ている限り、公立中学校めちゃめちゃいい。公立中学校に行くとデメリットが多く、私立中学校行った方がいいというのは塾のマーケティングとか、ポジショントークでしょう。個人的には間違っていると思うわけです。
公立中学校がいい理由は、まず地元の小学校の友達と一緒に上がること。小学校6年生の続きで中学1年になることです。私立中学校に行くと地元と断絶するから、これまでの蓄積を切ることになります。地元を切ったほうがいいのか、切らないほうがいいのかは、それぞれなので入学して卒業して結果がでないとわからないけど、イジメられているとか害がない限り、そのまま地元で中学3年まで行く方がマジョリティなのでメリットが多く感じます。
公立中学校がいいもう一つは共学ということです。僕は中学から男子校に行きましたが、僕の同級生などを観察する限り、3割、4割程度の人たちは女性が苦手になって人生苦労しているように見えます。女性が苦手になるとか、神聖化するとか、奥手になるとか、真面目に考えてしまうみたいなことがあって、中年童貞とかマザコンとかロリコンとか、生涯未婚者とかそういう人材を生みだしやすいでしょう。
近隣の男子校で日大豊山あたりが「男同士こそ」みたいなコピーというか、ポエムを打ち出しているけど、男だけの中でのびのびやるっていうのはわかるのですが、自分の経験や男子校出身者の結果を見ていると、めちゃめちゃ危ないですね。女性が苦手なまま卒業して、大学生で克服できればいいけど、一定数は取り戻せません。そのままズルズルと生きて、生涯未婚の中年童貞とか、マザコン&コドオジみたいになる可能性はめちゃめちゃ高いわけです。わざわざお金を払って、そんなリスクを背負うのはマイナスしかないんじゃないか、と思うわけです。
あとですね、私立中学は同じような家庭に育った、似たような温室育ちの人が集まります。多様性のない温室をメリットと思う人も多いかもですが、はっきり言ってデメリットでしょう。社会に出たら、訳のわからない人がたくさんいるわけですね。底辺とか貧乏人とか、人間のクズとか異常者とか、温室育ちでそんな人たちに対応できるのですかといえば、微妙でしょう。
今までは新卒採用で似たような人が集まって、ずっと似たような境遇の人とかかわるだけで生涯を閉じることができたかもしれないですが、今のZ世代みたいな「ジジイには恋愛詐欺、売春も全然OK」みたいなスタンスを見ていると、それが崩壊したわけですよね。年功序列もなくなって、会社の終身雇用もなくなって、個人がそれぞれやりなさいってなったら、似たようなタイプの人間の似たような世界で隔離されてるような人は不利になる可能性高いと思いますね。
そんな理由で公立中学校の方が明らかにメリットあると思うし、莫大なお金を投入して子どもに教育虐待して親子関係を破綻させても、中学受験するみたいな現状は異常に見えるわけです。
さらに、中学受験よりも高校受験の方が入りやすい。学校で1番みたいなめちゃめちゃ優秀な子はエリート校みたいなところに行って、エリートだけで隔離した環境でめちゃめちゃ難しいことやればいいと思うけど、たとえば小学校の通知表5段階評価で3がひとつでもあるとか、4がメインみたいな普通の子は、楽しい遊びまくる小学校生活を送るべきだと思うわけです。だから98パーセントくらいの子は公立中学のほうがいいでしょう。お金がかからない、遊びまくり、楽しいとメリットしかありません。違いますかね?
おいしい給食を食べさせてコドオジ化を回避しよう
で、私立中学はどういうことかというと、公立と違って理念を持って運営しています。だいたい宗教です。キリスト教系があって、仏教系がある。プロテスタント系は青山学院とか明治学院大学とか、上智大学とかはカトリックですよね。仏教系は仏教系の東大って言われているのが龍谷大学で浄土真宗、駒澤大学は曹洞宗、大正大学は超党派みたいな感じですよね。宗教の宗派がぞれぞれ大学を持って、その下部組織として私立高校をいくつも持っているみたいな構造です。
信者だったら私立はいいと思うけど、たぶんみなさん信者じゃなないですよね。信者じゃないんだったら、普通に地元の自治体が税金を使って運営している公立中学のほうがよくないですか? とも言えるわけです。
あとは食べ物です。私立中学校は給食ないはずなのでお弁当ですよ。公立中学は給食室があって税金使って、子どもたちに栄養バランスがいいものを食べさせてくれる。公立中学校の方が明らかにいい栄養を取れるわけです。区が雇った給食おばさんに管理栄養士とか揃えて、完璧かどうかわからないけど、プロが考えた献立で区が雇った調理人がおいしいものを調理してくれて、給食として出してくれる。私立に行ったらお弁当ですよ。お母さんが作らなきゃいけない。公立中学と私立中学を比較すると、経済、栄養、人間関係、信教の自由などなど、どこから比べても公立中学のほうが圧倒的に優性なわけです。
やっぱり、男と女が世の中にいるわけだから男子校に入れてしまったら中年童貞になる可能性高まるし、生涯未婚に該当する可能性高まる。女性が苦手になってしまったら、人間の半分が苦手なわけだから、もう手に負えないですよ。超悲惨です。それでお母さんが心配になって過干渉になって「大丈夫? 大丈夫?」となったらマザコンになってしまってロリコンか生涯未婚者です。厳しい人生になってしまうわけですね。
私立中学狂いの学歴厨の教育ママね、あなたの息子が中年童貞&コドオジで50歳、ということを想像してみましょう。当事者は自己正当化するだろうけど、異性に誰にも相手にされないまま果てるのは哀れな人生でしょう。そんなリスクをお金払って、子どもの自由を奪って抱えて、なんのメリットがあるのでしょう。僕は私立中学出身、温室育ちですけど、教育ママが私立中学にこだわる理由がまったくわからないですね。
私立中学のメリットは超エリートを隔離して、徹底的に英才教育を施すみたいなことだけでしょう。中学の偏差値でいえば60以上、高校の偏差値でいえば70以上、それ以外だったらヘラヘラ遊びながら公立中学に行って、美味しい給食を食べてるのがいいと思いますね。
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