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「広報・PRの家庭教師」の伴走により「ひとり広報」活動から全社的な活動に至った事例

 8月29日に「広報・PRの家庭教師」株式会社シプードが主催するセミナーに参加させていただきました。オンワードコーポレートデザインの三島奈々子さんが広報・PRを立ちあげてからのご苦労、成果が出てからの企業の変化、そして広報を積極活用するような風土に変化していく道筋などの体験談を伺いました。

1.広報PRと広告の違い:舩木真由美さんの解説
 冒頭、シプード代表の舩木真由美さんが、広報・PRと広告の違いについて解説しました。舩木さんは、広報・PRが「情報提供を通じて企業と社会の間に信頼関係を築くこと」を目的としているのに対し、広告は「直接的な販売促進や認知拡大を狙う」ものである性質の違いについて説明されました。その中で、「広告が企業自身による一方向のメッセージ発信であるのに対して、広報・PRはメディアを通じた第三者の視点での情報発信が主であるため、消費者からの信頼度が高まる」として、広報・PRの重要性を説かれました。

2.広報・PRと広告の違いについての考察
 セミナー後に改めて広報・PRについて考察しました。広報・PRはブランドイメージや社会的な信頼の構築など、より持続的で包括的な影響を目指しています。舩木さんが強調された、企業が広報・PRを通じて築くことができる信頼性と長期的な関係構築の重要性について改めて理解することができました。
 舩木さんさんご自身の経験から、広報・PRがどれだけ泥臭い作業であっても、企業がメディアと関係を築き、適切な情報を提供することで、社会全体にポジティブな影響を与える力があることも理解できました。

3.オンワードコーポレートデザインでの取り組み
 三島さんが自身の「ひとり広報」立ち上げ経験について伺いました。新卒で入社して以降、営業などの部門を経て広報部門を立ち上げるまでの経緯のお話からは、新しいことへのチャレンジの連続であったことが伺い知れました。体験談とはいえ、個別企業のお話も出ましたし、セミナー限定の話題も含まれているため、開示されているインタビューの方の紹介に留めさせていただきます。多くの事例を通じて社内外に広報・PRの価値を実感させる成果を上げてこられたことが伺えます。

4.広報・PRを定着させていく過程での成功と失敗の体験
 後半のトークセッションでは、三島さんと舩木さんが「ひとり広報」活動当初からの成果と失敗の振り返りました。
 初期段階でのメディアとのコミュニケーションの取り方の難しさ、繰り返していく中で得た学びと勘所、広報・PR担当者として成果が出始めてきた過程で理解し始めたメディア側のニーズ、それに応じた情報提供の実践など、三島さんのリアルな経験の披露は、参加者にとっても多くの参考になる点があったことでしょう。

 質疑応答では、広報・PR活動に割く時間が限られている兼務担当者へのアドバイスもありました。船木さんからは、冒頭の話とも重なりますが、広報PRが単なる情報発信ではなく、企業戦略の一環として位置づけられるような経営陣との方針設定の場づくり、何より活動量、そして他社の広報担当者の仲間づくりといったアドバイスをされていました。

5.広報・PR人材育成における「やる気」「やり方」「やり場」のスパイラルアップ
 今回のセミナーを通じて、広報PRが企業にとってどれほど重要な経営機能であるか、そして企業の社会的な信頼構築に必要な取り組みであるかについて理解する貴重な機会となりました。企業の人材育成においては、「やる気」「やり方」「やり場」のスパイラルアップが鍵であると思っております。広報・PR活動においてもこれらの機能化が成功をもたらすことを確認しました。

  • 「やる気」                                             個人の自発的な活動は何よりも重要であり、その中での失敗を乗り越えていく過程も経験の蓄積となります。今回感じたことは、舩木さんという「家庭教師(伴走者)」の存在の大きさです。舩木さんが、共に歩みながら広報・PR担当者が自らの力で成長できるようサポートされている様子が伺えました。成果が数値化しがたい広報・PRの領域にあっての理解者がいることへの安心感があります。

  • 「やり方」                                            舩木さんは手取り足取りの指導をするのではなく、自ら考え行動することを促すスタンスを取りつつ、他社事例の提示などでヒントを与えています。このアプローチは、広報・PRのやり方が個々人にとって自らに定着していくためには、体験を通じて学ぶことが不可欠であることを示しています。体験のほか、効果を出すという点での広報ツール「PRONE」の提供も効率的な「やり方」の実現をサポートしているようです。

  • 「やり場」                                           繰り返しになりますが、広報・PRを戦略的に活用し、経営陣とのコミュニケーションを通じて広報・PR活動を企業全体の機能として位置づけることの重要さを今回のセミナーで学びました。成果が見えにくい場合でも、数値目標を設定し、その達成に向けた地道な活動を続けることで、「やり場」が広がり、「やる気」のさらなる向上へとつながります。また、部署間、グループ間、お客様との協働により「やり場」が広がることで、さらに「やる気」の向上につながっていく様子が伺えました。

6.最後に
 
今回のセミナーを通じて、広報・PRを通じて社会との新たな関係性が得られてきたことを企業全体で得た過程、お客様から企業姿勢で選ばれていることの実感などが「ひとり広報」担当者の奮闘から始まったこと、企業は広報・PR活動のやり方次第で変化しうることを学ぶことができました。
 私自身、上場企業やスタートアップ企業等のご支援の中でも広報・PRの重要性について意見交換をしていけたらと思っています。そのような中でシプードの皆様にもお力をお借りできたら幸いです。貴重な学びの機会をありがとうございます。
 最後になりますが、広報・PRの必要性を感じつつも行動を起こせずにいる企業経営者はご相談されてみることをお勧めします。


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