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リスキリングで忘れられがちなこと、しかし大事なこと


こんにちは、人材育成コンサルタントの柏倉です。
 
リスキリングは人材育成における大きなチャレンジとなっています。ヒトの理解が追いつけないスピードで技術が進化する中、これからの仕事に求められる技能を身に着けるリスキリングは、個人、会社だけでなく国家レベルの課題となっています。


リスキリングの目的とは?

政府、企業、大学の有識者が集まり国際的な経済問題を議論し、解決に向けた協力を促す非政府組織の世界経済フォーラム(通称、WEF)は、今後10億人を対象に新たなスキルを提供しスキルギャップを埋めていくリスキリング革命を2020年に宣言しました。

(参考: WEF リスキリング革命宣言)

岸田政権が掲げる経済政策「新しい資本主義」でも、リスキリングは重要な要素のひとつとなっています。

(参考: 岸田政権「リスキリング立国」宣言)

これらの取り組みに共通していることは、これからの求められる新たな価値、新たな仕事に対応するための能力強化がリスキリングといえます。
リスキリングの目的を一言でいえば、「未来への対応」といえます。

だれがリスキリングを進めるの?

それでは未来への対応を進めるのはだれでしょうか。個人が主体的に取り組むこともあるでしょう。国も様々な形で支援します。しかし、リスキリングを主導するのは会社です。会社のために、会社目線で、会社により進められるのがリスキリングです。
 
会社が主導しリスキリングへの投資を会社が負担してくれることは、個人にとって有り難いこともあります。未来への対応に必要なスキルの筆頭はデジタル・スキルです。そしてデジタル・スキルは会社を辞めても場所を選ばずどこでも価値を出すことができます。

リスキリングで忘れられがちなこと

会社主導でリスキリングが進められることで、忘れられがちなことがあります。それは学びの「環境」です。会社が提供するのは、会社が管理する学びの「環境」に限られます。学びの「環境」は会社が管理する以外にも様々あり、人によって望ましい学びの「環境」は異なります。会社が管理する学びの「環境」だけでは、すべての人に適した「環境」を提供することはできません。
 
学びの「環境」は人材育成でとても重要な働きをします。人の考え方や行動を変えようとするときに働きかける要素は、大きく分けて二つあります。一つは育成の対象者となる「ヒト」そのものです。たとえばスキルは「ヒト」を構成する要素のひとつです。もうひとつが「環境」です。同じ「ヒト」でも「環境」が変われば行動は変わります。行動が変わると結果的に「ヒト」も変わります。
 
リスキリングでは「ヒト」に働きかけることばかりに目が行きがちですが、「環境」を変えることで新たな行動を身につけることも大切です。「環境」を変えるといっても、転職する、異動する、引っ越しするなど、大げさに考える必要はありません。たとえば、これまで接点のない人と話す、行ったことのない図書館・本屋にいく、馴染みのない体験 (スポーツ・野外運動・美術館・コンサート)をする、といったことでも良いと思います。

「環境」を変えるお勧めアプローチ

わたしのお勧めアプローチは「学校」に行くことです。
「社会人になったらもう学校はいいや」と最初は感じながらも行ってみると結構はまっている人は多いように思います。グロービスや早稲田大学の社会人向けコースにもかなりの人が会社に勤めながら通っておられるようですし、通信教育でも良いでしょう。

(参考: 早稲田MBAでリスキリング)

わたしは、31歳で仕事を1年間休んで海外留学(IMDでMBA取得)、37歳で休日中心にコーチング学校(CTIでCPCC取得)、41歳で仕事しながら大学通い(一橋ICSで博士号取得)と、かなり極端な例ではあると思いますが、自分が節目と感じたタイミングで学校に通いリスキリングしています。
 
何をどのように学ぶかもリスキリングでは大切ですが、どんな学びの環境があるのかを忘れないために、頭の中で自分なりにリストアップしておくとよいでしょう。

リスキリングが必要な節目のタイミングで、「あー、そろそろあそこに行こうかな!?」のように想い出すことができれば、会社主導と個人主導で良い感じのバランスをとりながらリスキリングを進められるのではないかと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


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