たかがゲーム、されどゲーム~ゲームは本当にムダなのか~
ゲームをすることは人生の時間をムダにしている。
そんな意見が、テレビゲームの登場とともに、ずっと言われ続けています。
しかし、本当に人生の時間を無駄にしているのでしょうか。
PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)は、2018年10月9日~10月11日の3日間、20~79歳の男女を対象に「人生の満足度に関する調査2018」をインターネットリサーチで実施し、2,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。
この中で、今年、実際にハマりすぎて人生の満足度を低下させたと思う趣味・レジャーは何かを聞きました。
ハマりすぎて人生の満足度を低下させた趣味・レジャーがある人(391名)の回答をみると、「ゲーム」が最も多く27.4%、次いで、「ネットサーフィン」が22.3%、「SNS」が14.6%で続きました。
しかし、大事な結果がもう1つこの調査には現れています。
今年、自身の人生の満足度を向上させたと思う趣味・レジャーは何か、20代男性(200名)の回答を見ると、36.5%の人がゲームと答えました。
逆に、20代男性でゲームにハマりすぎて人生の満足度を低下させたという人は34.9%います。
ほぼ、同数となっているのです。
ゲームはこの2,30年で大きく進化してきている趣味です。世代によって、大きく捉え方が異なります。
では、本当にゲームは人生にとってムダなのか。
私はそうは思いません。
ムダ、と言ってしまうのは、2つの理由があるからです。
1つは、ゲームは遊びになりやすい点です。
遊びを本気でやる人はなかなかいません。勝つために戦略を真剣に考える人は少ないでしょう。
特にゲームは自身のレベルを上げて能力を上げたり、難易度を下げたりすることでクリアが容易になり、気軽にプレイできるようになっています。
ですが、「いかにして相手に勝つか」を考えることは実生活においてなかなかありません。相手と戦う、ということがあまりないのです。
相手に勝つためには、いろいろな方法を考え、実践し、検証して改善をする必要があります。
PDCAサイクルを回すことになるのです。PDCAサイクルはここ何年もビジネス界では大切と言われ続けていることです。それを、無意識のうちに行うことになります。
特に近年はクレームなどにより、学校現場では「順位をつけない」場面が増えました。
「相手に勝つ」ことを考える機会は、ゲームをすることが1番なのです。
もう1つは、ゲームで得ることができた能力は、形にできないものが多いからです。
学校の各教科の勉強は、覚えたことを言葉にできて、テストなどで能力を測ることが容易にできるため、簡単に評価ができます。
しかし、ゲームで得た能力は、数値化することができません。
いかにして相手に勝つか。いかにして目の前にある問題を解決するか。
それを考え続け、実践し、結果を出すことは、出された結果でしか評価ができません。
自分の行動でしか、示すことができないのです。
ゲームをすることはムダなのかどうか、それはゲームをする人の姿勢で決まるのではないでしょうか。
ゲームも勉強も、そのものに向き合う姿勢で、ムダになるかどうかが決まります。
やるからにはきちんと向き合う。娯楽なら娯楽と割り切って、しっかり楽しみながら本来大事なことを優先する。
目の前のものがムダになるかどうか、あなたの行動で決まります。