行き先は隣町か見知らぬ国か~自分の世界マップの広げ方~
RPGの序盤は徒歩での移動が基本になります。
そのため、行き先は隣町になることが多いです。
隣町にたどり着き、周りの敵と戦ってみて「これはヤバい」と思ったら、1個前の国や街に戻ってレベル上げをする人も多いのではないでしょうか。
人生においても、同じことが言えます。
人生にとっての街や国は「ジャンル」です。「国語」「数学」「理科」「社会」という教科のようなものもあれば、「行動経済学」「和食」「ヒップホップ」など細かいカテゴリもあります。
人は、隣町・・・つまり、知っているものと共通点があるジャンルには興味を持つことができます。しかし、遠い国・・・つまり、自分が知っているものとまったく共通点がないジャンルには興味を持つことができません。
例えば、自分のいる国から遠くにある国でテロが起こったとき、「大変だなぁ」と他人事のように思うことがあるでしょう。自分に関わりがない国だと、どうしてもそう思ってしまいます。
しかし、これが行ったことがある国や、知っている人がいる国であれば、不安にかられるのではないでしょうか。
また、基本的には多くの街が集合して、国になります。
日本で言えば、多くの市区町村が集まり、都道府県になります。
そして、47都道府県が集まって国になります。
ジャンルについても、同じことが言えます。
例えば、「社会」という国があったとして、「地理」や「歴史」などの都道府県があります。
その中に「平安時代」「江戸時代」などといった市区町村があります。
「江戸時代」が好きだ、という人は、隣町の「安土桃山時代」や「明治時代」にも興味を持ちやすくなります。
しかし、「数学」の国の「図形」に興味を持てと言われても、遠い国の話だから、なかなか興味を持ちにくいのです。
また、隣町の「安土桃山時代」や「明治時代」を見ていくうちに不安になったら、自分の住んでいる「江戸時代」に戻って自分の街を眺めればいいのです。
1度隣町の景色を見ていると、隣町と比べたり、共通点を見つけたりして、親近感がわきます。
結果的に、自分のいる街だけではなく、隣町の理解も深まっていくのです。
自分の世界を広げるためには、恐れずに、隣町まで歩いてみましょう。怖くなったら、戻ればいいんです。
しかし、時には自分にまったく興味のないことをやらざるを得ない時があります。
興味がないことをやるのは苦痛でしかありませんが、逆に自分の世界を広げるチャンスにもなります。
RPGでは、時にどこかへ「強制送還」させられることがあります。
時に閉じ込められたり、時に遠くの町に連れて行かれたり。
この場合、前に行った街に戻ることができず、その場所で何とかして困難を乗り越える必要があります。
強制送還された後にセーブしてしまい、戻れなくなって泣いた方も多いのではないでしょうか。
アイテムをつぎ込んでレベルを上げるのか、敵から逃げまくってボスだけ強引に倒すのか。
戻ることができず、進むしかない。退路を断たれたその現実を受け入れたとき、人はあらゆる可能性を考えて突破しようとします。
人生においても、同じことが言えます。
興味がないことだとしても、退路を断ち、前に進むことを諦めなければ、あらゆる手段を考えて、困難を乗り越えようとします。
例えば、あなたは今、外国にいます。どの国でも大丈夫です。
与えられているのは、一人で住む家と現地での日払いの仕事のみ。手持ちのお金はありません。そして、あなたはその国の言語を全く知りません。帰りのチケットも用意されていません。これで1ヶ月生活してください。
・・・という状況になったらどうしますか?想像してみてください。
想像しにくい、という人はとりあえず2日間ぐらいの行動を想像してみるとよいでしょう。
まず、生きていくためには食事をとらなければいけません。
1週間くらいであればなんとかなるかもしれませんが、1ヶ月となると何かしら食べなければ死ぬ可能性は出てきます。
そうなると、「買い物をする」ことと「働く」ことが必要になります。
これらを行うためには「人とコミュニケーションをとる」ということが必要になります。
人とコミュニケーションを取るためには「相手に通じる言葉を話す」か「相手に通じる動きをする」必要があります。
他の国の言語を習得するためには、その国へ行くと良いと言われる理由はここにあります。生きるために覚えなければいけないし、使わなければいけないのです。
退路を断つことで、どうにかして自分を環境に適応させようとします。
遠くの国へ行く必要はありません。「多くの人に、自分がやることを宣言する」「お金を払って資格試験を受ける」など、やらなければ何かしらリスクのある状態にしたり、締切を決めることで、退路を断つことができます。
強制送還先が自分の世界になったら、次の行き先候補が増えて、自分の世界の拡大はより簡単になります。ピンチはチャンスとも言います。強制送還されることがあったら、自分の世界を広げるチャンスと捉えて頑張るのもよいでしょう。
ちなみに余談ですが、外国に飛ばされたとして、どうしても言語を覚えられない、という人もいるかもしれません。
スマホを持っていれば、翻訳アプリなどを駆使して会話をするという手段もあります。
食事さえ取れればそれでいい。となれば、野草や木の実を食べて生活していくという方法もあります。「生きる」ということを目的とした場合はこれも正しい方法です。
「自分の国へ帰る」ということを目的とするならば、現地にいる日本人と話をして、お金を貸してもらったり、ヒッチハイクをして帰るのも1つの方法です。自分で船を作り、海に出るのも1つの方法です。
目的を見失わなければ、人生の正規ルートは無限にあります。進む道がないと思ったら、目的をもう1度考えてみましょう。