『人生すごろく』で紡ぐ物語 #001
皆さん、はじめまして。私たちは『人生すごろく』です。
『人生すごろく』とは?
私たちは、医療/介護/福祉から生まれたプロジェクトです。どんどん、どんどん進む少子高齢化にある日本では、介護が必要な高齢者は増え続け、それを支える担い手は不足し続けています。
介護が必要な多くの方々を少ない人数でケアしようとすれば、必然的に、一人ひとりに割ける時間やサービスは少なくなっていってしまいます。さらに少子高齢化が進めば、さらに少なくなっていく。
お一人おひとりに向き合う時間が減っていけば、お一人おひとりを理解する機会や量も減っていき、おのずと画一的な対応になっていってしまいます。
この悪循環というかジレンマの解消にちょっとでもお役に立てることができたら、という思いで生まれたのが『人生すごろく』です。
遊び方
遊び方はいたってシンプルで超簡単
これの何が面白いの?
これの何が少子高齢化社会に役に立つの?
って思いますよねw。
自分で書いてても、文字だけだと、全く伝える自信がないです。
では、3分ほどの紹介動画がありますので、よろしければこちらもご覧ください。
いかがでしょうか?
さっきよりは、少し伝わったでしょうか?
すごろくというシンプルなゲーム性、
誰かに訊かれるのではなく、自分で引いたカードの質問だから答えてしまうという点や、どんな質問が出てくるか分からない偶然性。
どれだけ時間を重ね、仲がよい間柄でも、普段の会話からは生まれそうにない非日常な質問項目とありふれた質問が混在していること。
それが『人生すごろく』のミソと言えるかもしれません。
目指す理想
例えば、介護のデイサービスや施設で日中、高齢者の皆さんが人生すごろくを楽しんでくださったら、日々の介護サービスの中では知ることのできなかった、お一人おひとりの人生の一端や、大事にしている思い出やご家族への思いなんかを知ることができるかもしれない。
それによって、高齢者の皆さん同士の理解やコミュニケーションも変わるかもしれない。介護のスタッフもお一人おひとりのことをよりよく知ることができ、コミュニケーションやケアのアプローチをお一人おひとりに少しアレンジすることができるかもしれない。
そして、ご本人が亡くなったあとに、人生すごろくによって知ることのできた思いや物語をご家族にお戻しすることもできるかもしれない。
高齢者や介護に限った話ではないかもです。
会社や組織のスタッフ同士でやってみる。すると、日々の仕事や関係性では聞けなかった価値観やエピソードを互いに知ることができるかもしれない。相互理解の解像度が上がることは、その後のコミュニケーションにも、業務にもポジティブにワークするかもしれません。
大学生だって、高校生だって、小中学生だって、やってみたらどうだろう?普段の会話にプラスアルファの相互理解が、一対一の関係性や集団の雰囲気にポジティブな何かをもたらしくれるかもしれない。
『人生すごろく』が多くの課題を直接的に解決するとは思っていません。でも、人と人の間を、よりよく、より深く、彩り豊かにつないでいくことが、今までにない何かをもたらしたり、生み出したりしてくれるかもと思っています。
互いを知り、違いを乗り越える。
『人生すごろく』が目指すところです。
紡がれた物語
現在、プロトタイプを制作中の『人生すごろく』。制作しながらもリアルな場でも、オンラインでも体験会を行っています。そして、体験会から得た意見、感想、アイデアなどをフィードバックして、よりよいものにアップデートしていこうと思っています。
今月(2024年1月)にオンラインで行った体験会で出会った、ステキなエピソードを紹介します。
そうそう、そもそもこのnoteは人生すごろくの宣伝というより、人生すごろくを通じて出会ったエピソード、紡がれた物語を記録/保存しすること、そしてあわよくば、誰かに届いたらいいなということを期待して立ち上げました。
なので、ここからがこの『人生すごろく』noteの本題となります。
認知症の方が見る世界の美しさ
介護のお仕事をされている方で、さらにボランティアで認知症の方たちを支援する活動をされている方から紡がれた物語。
引いたカードはこちら
「私は医療/介護関係の仕事をしていて、それとは別に認知症の方のお出かけに付き添うというボランティアをしています。仕事というか、そのボランティアでの話なんですが、認知症の方々に、私にとっては何気ない景色や日常の美しさを毎回教えてもらっているんです。それが、本当に楽しいというか、ありがたいなぁと思っています。」
「鳥のさえずりに耳を傾ける人、公園の木々をじっと見つめて立ち止まる人、足元の石に目を凝らしている人など。お一人おひとり、みんな着目されるポイントは違うんですけど、ご自分が美しいなぁ、心惹かれるなぁという、それぞれのポイントで立ち止まり、じっとその景色や音に没入されるんです。」
「付き添っている私も一緒に立ち止まり、同じ景色を見たり、耳を傾けたりするんですが、自分では決して立ち止まったり、耳を傾けるものではない。認知症の方と一緒にお出かけすることで、自分にはない、身の回りの自然の美しさを感じさせてもらえているんです。」
「美しいなぁ、ステキだなぁと思えていなかった日常を、認知症の方々と一緒にお出かけすることで感じることができるようになった。私が支援しているのではなく、私もまた、瑞々しい感性を、日々の風景を美しいと思える心地よさを皆さんからいただくことができている。このボランティアをして、本当に楽しいなぁ、ありがたいなぁと思っています。」
私設公民館 mame Co-
フリーランスで地域づくりなどのお仕事に携わっている方のステキなエピソード。引いたカードはこちら。
「(滋賀県)湖南市に、私設公民館があります。mame Co-と言います。ここは、1日千円払うと、自分の好きなイベントというか集まり、使い方をすることができます。」
「先日は、地域のおじちゃんたちが「健康麻雀」の会を開いていました。カフェっぽいことをやる人もいれば、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりする集まりもあったりします。」
「私は、特別な用事がなくても、時間があって気が向いたときには、ここに行きます。誰かがいて、何かを楽しんでいて。私の行きつけのお気に入りスポットです」
こんな感じで、『人生すごろく』を通して紡がれた物語やステキなエピソードをこのnoteでは綴っていきたいと思います。
そして、互いの違いをよりよく理解し、よりよいコミュニケーションを生み出す、人と人の間をよりよくつなぐ『人生すごろく』を目指していきたいと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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