世間ずれ
僕は昔から世間ずれしているところがあり、話をしても話が通じないことがよくあった。これはテレビや雑誌など、共通の知識体系、言語体系に属していないからで、あまりメジャーじゃない本を読んだり自分で難しい言い回しをして、通じない話をよくしていた。今思えば、別に独自の考えを持っていてもよいが、言語体系を世間一般に合わせる必要があるし、難しい表現は避けて、嚙み砕いて話さなければならない。
一時期まで、哲学に凝るのも一種の世間ずれだった。知らない、関心がない話をするのは、相手にとって苦痛だろう。もっと自分の話や世間話をしておけばよかったと今は思う。
自分に注意が向き過ぎるのもよくない傾向だ。自分に注意が向き過ぎると、周りが見えにくくなるからだ。特に内面的なことを突き詰めたときはそうだ。外に目が向かないというのは、苦しいことである。だから今は、意識的に外にも目を向けるようにしている。
自分から話す方は、一向に上達しない。だが聴くことならば、多少上達したと思う。話すだけで聴くことができなければ、対話にならないので。
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