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日本人とふぐ
はじめに
最近友人がふぐを食べに行っていたようです。
Instagramのストーリーにてっさ(ふぐの刺身)の写真が掲載されていて、なんだかおいしそうでした。うらやましい!!!!
皆さんふぐ食べたことあります?
部長は……ないですね。いつかは食べてみたいです。
と、いうことで今回はふぐ食について調べてみました。
現代のふぐ食
ふぐといえば、猛毒で知られていますよね。
某超有名料理系動画投稿者が何度も動画内で解説しているように、ふぐの臓器には人にとって有害な物質が含まれていて、ふぐを捌くには専用の免許が必要になります。そのため、ふぐ料理を食べることができる場所はかなり限られています。
厚生労働省からも注意喚起がなされています。
釣りとかをする人、釣ったふぐは釣った人自身にふぐの調理の資格がない、あるいは資格を持っている人に調理を依頼できそうにない場合は食べちゃダメですからね。
ふぐの肝臓とか食べちゃう人がいるらしいですね。
毒があるので絶対に食べてはいけません。過去に死亡事故も発生しています。
また、珍味というか、お酒のオトモといいますか、本来ならば毒があって食べてはいけないとされているふぐの卵巣を糠漬けにした、なんてものもあるようです。
※資格免許を取得した業者が製造しています。
縄文時代からふぐは食べられていた?
旧石器時代の遺物からふぐの骨が見つかっているとかなんとか。
縄文時代になっても、ほかの魚とともに貝塚から骨が見つかったそうです。
食べても無事だったんですかね?
ふぐの毒は塩もみにするとか、加熱したりといった手を加えた程度では無毒化しないですからね。
縄文時代ぐらいのふぐには毒があったのかどうかはどうやら議論があるようです。
ちなみに、縄文時代の人々が主に食べていたのは、クマやカモといった動物やカツオ、はまぐりといった魚介類に山菜などとにかくなんでも食べていたようです。
それらの食材を焼いて?食べていたようです。長野県のとある遺跡からは炭化したパンとかクッキーが出てきたとかなんとか。
ふぐ食の禁止と解禁
戦国時代になり、文禄・慶長の役で九州に集まった武士の間でふぐによる中毒死が相次いだことで、豊臣秀吉によってふぐを食べることを禁止されました。
江戸時代になっても、多くの藩は武士に対してふぐ食を禁じていたようで、特に長州藩、現在の山口県に該当する地域は厳しかったようです。
武士に対して禁止していたとはいえ、江戸時代には魚の調理法が増えました。
江戸時代の代表的な料理本「料理物語」には、ふぐとう汁という調理法が掲載されていたようです。また、小林一茶や松尾芭蕉などがふぐ料理を季語に俳句を詠むなど、一部の間で食べられていたことが推測できます。
ふぐの解禁については諸説あるようですが、有名な話だと伊藤博文が下関で食べたふぐ料理のおいしさに感動して山口県内でのみ食用を許可した、なんて言う話があるそうです。
伊藤博文がはじめて河豚を食べたのが1888年です。
その少し前の1887年からふぐ毒への研究が始まり、1889年にふぐの毒が水溶性であるとわかったのだとか。
山口県内でのみ許可されていたふぐの販売は1892年に内蔵を取り除くことを条件に東京でも許可されるようになります。
全国各地でふぐが食べられるようになるのは、第二次世界大戦終結後になります。
1947年に制定された食品衛生法をもって、各都道府県でふぐ食についての条例が制定されるようになります。これによって、ふぐの調理免許制が確立していくわけですね。
ふぐを用いた郷土料理
最初の方で少しだけ触れた、ふぐの毒が含まれている卵巣をぬか漬けにして食べる珍味、これはふぐの卵巣の糠漬けのことです。石川県の郷土料理なんだとか。
実際にふぐの卵巣の糠漬けを製造し、販売している業者さんのページいわく、ごまふぐの卵巣を1年から1年半ほど塩漬けにしたのち、ぬか漬けにして乾燥させ、そこから2年間さらに漬け込むのだとか。
かなり手間がかかっていますね。
石川県のふるさと納税では、卵巣の糠漬けとそれをさらに酒粕につけたかす漬けの詰め合わせが返礼品にあるようなので、興味のある方はぜひ。
おわりに
現在のふぐの調理免許は都道府県ごとに分かれていて、名称がそれぞればらばらなようです。最近では、各都道府県ごとに行なっているふぐの調理免許試験を全国統一しようという動きもあるのだとか。
また、餌を工夫することによって本来強い毒を持つふぐを無毒化することに成功した例もあるのだとか。
ちなみに日本以外でふぐを食べる習慣のある国は韓国だけなんだとか。
Wikipediaによると世界ではゲテモノ扱いらしいです、悲しい。
食文化の違いって大きいですね。
とはいえ、国際ふぐ協会が設立され、ふぐ解禁に向けての活動が行われていたりとこれからはふぐが世界中から注目されていくのかもしれません。
私もふぐ、食べたいなぁ。