しくじり人事交流会【後編】 評価制度の意味、適切なルール作り について
目次
交流会に参加した方々
評価制度のないNetflix
評価制度の意味
就活の際の志望動機に対する疑問
暗黙のルールに目を向け、適切にルールを作る
関連リンク
交流会に参加した方々
【イベントの登壇陣】
朴 常綜(パク サンジョン)
医療介護業界を中心に、「独自の採用力がつく」採用コンサルティングを提供。
人材会社勤務時代から様々な規模の人事担当者と話す中で、「業界企業を越えた人事担当者同士の繋がりづくりが必要」「他業界で行われている取り組みを輸入し合うことでイノベーションのきっかけを作りたい」と考え、人事担当者が集う場「しくじり人事」を2021年4月に作成。
▼オープンチャット「しくじり人事 -HRの失敗談の共有コミュニティ-」
https://line.me/ti/g2/Kt4HR5dgERoPyEWFMQrog13VYVKJC0z6lJ4mzw?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
Twitter: https://twitter.com/consultingjoney
牟田健登
合同会社クルージズ 代表社員
目標達成トレーナーとして、企業の人事のコンサルティングを行う。
Instagram: https://www.instagram.com/kentmtceo/
前野博毅
医療法人桜豊会大坂総合歯科 副院長
現在の仕事:法人の第2創業期を迎え、人事施策の実装に取り組んでいる。
【イベント参加者】
Tさん
金属加工の製造業を経営
従業員十数名
中途・新卒採用から人事業務全般を担当
Kさん
12回転職(大企業〜スタートアップ、業界:エンタメ・教育など)
現在:飲食業界のDX、エンジニアの中途採用など
人事業務:中途採用、就業規則関連、福利厚生
【運営サポート】
F、およびS
大学生3年生で就活生。2人とも別の学生団体でそれぞれ代表を務めている。
本イベントでは、議事録等サポートを務めた。
評価制度のないNetflix
朴「最後に一人ずつ感想をいただきたいです」
前野「これから理念や評価制度をつくっていくので苦労もあると思いますが、そういった試行錯誤の際の話の方が楽しんでいただけると思いますし、悩みなどの共有も今後したいと考えています。運営サポートを務めた学生も参加者の方もレベルが高いので、もっとこういう方々が集まってこればいい議論ができると感じています」
村瀬「この5月末まで人材開発・人材育成に関わる仕事をやっていましたが、それをやっているとどうしても評価の部分がおろそかになってしまうと感じました。やっていた業務が研修の教材作りだったのですが、上流の理念から研修に落とし込むことができていませんでした。牟田さんの話を聞いて理念から研修に落とし込む考え方を学ぶことができ、(現在は人材開発業務はやっていないので)今後また携わる機会があれば、上段の視点やいかに成果に繋げるかという視点からも研修について考えたいと思いました」
DX事業中途採用担当Kさん「新卒就活生がいるとは知らなかったため、もっと話してみたかったと思います。
普通、ミッション・ビジョン・バリューに沿った行動をできているか、立てた目標に対してどれくらい貢献したかが評価され、それに対して給与が決まると思いますが、実はその2つは関係のないものなのではないかと最近思っています。
給与が上がることでパフォーマンスをあげる人に対してなら大切かもしれないですが、その人がその半期や1年でパフォーマンスをあげられなかったことでコロコロ年収を変え、モチベーションを下げるようなことはする必要がないのではないかと思います。評価をすること自体、マネージャーの心理的負荷も大きいです。それに、その期に立てた目標が甘かった可能性もありますし、評価の仕方も相対評価や絶対評価など難しいことがたくさんあります。それを差し引いても、評価することが本当に会社や社員のためになっているのか?というのが最近の疑問です。
例えばその会社で3年勤めていた人より中途で入った社会人3年目の方が給与が高いことがあります。しかしそれを誰も正しいことなのか判断できないのが現状の評価制度です。その人のがんばりと給与は別軸で考えてもいいのではないかと考えています。給与のために頑張る人もいれば、給与据え置きでも頑張れる人もいます。私は転職を何度も経験しており、その度に給与は上下しますが、果たして自分の過去をどのように評価されているのかと言う部分はイマイチ疑問です。
評価時期の前に転職してきて、評価時期の前に転職してしまったら会社の評価はその社員にとって関係なくなります。それでも、会社は評価方法に時間をかけたがる傾向にあるように思います。例外でいうと、Netflixは、社員の言い値で採用することで評価のコストを削減しているそうです。そういったやり方もアリなのではないでしょうか?」
評価制度をつくる意味
前野「私は評価制度を今作ろうと思っているところですが、牟田さんに評価制度を作る目的を伺いたいです」
牟田「評価制度は『頑張った人が報われる組織にしたい』なら作るべきだと考えています。評価制度はその人が出した価値(PL)で評価します。価値で評価すると言っても、企業によって価値観が変わってきます。評価制度がないと、頑張った人が『報われない』と感じ、自身の将来が見えず離職につながります。
ちなみに、人が行動する理由には、モチベーション・パッション・ミッションの3つがあると言います。これは与えるのが簡単な順に並んでおり、モチベーションは例えばお金。パッションはやる気。ミッションは使命や理念。この3つが揃っているのが最高の組織だと自分は考えています」
就活の際の志望動機に対する疑問
朴「せっかくなのでもう少し時間を延長したいと思います。Kさん(DX事業中途採用)、先ほど就活生と話したいとおっしゃっていましたが、何か聞きたいことなどありますか?」
DX事業中途採用Kさん「運営サポートの学生に質問です。就活における悩みはありますか?」
運営サポートS「以前面談した人事に『やりたいことあるの?』と聞かれたため『こういうことがしたい』と話したら『どこの会社でもできるよね?』と言われた経験があります。正直、『逆に企業ごとの違いがわからない』と感じているので、どう答えるべきなのか、どう違いを見つけるべきなのか悩んでいます」
DX事業中途採用Kさん「エントリーシートの鉄板の質問に志望動機がありますが、どれだけ志望動機を頑張って書いても、働く前にしか見えていない部分でしか考えられないので正直意味がないと感じています。それより、社会人になってからどうなりたいか、それはなぜかを聞いて、それが自社に当てはまるか考えるのが採用担当の仕事だと感じています。志望動機は企業側が上にある構図があるからこそ聞かれると感じているため、『志望動機』を一生懸命考える必要はないと私は考えています。それよりはその時間を自分のやりたいことのために頑張る時間にあてて、それをアピールする方が良いと思いますよ」
暗黙のルールに目を向け、適切にルールを作る
朴「Kさん(DX事業中途採用)の『暗黙の了解』に切り込んでいく発想が素敵だと感じます」
DX事業中途採用Kさん「ちょうどNetflixの本(『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』)を読んでいたからです。他に面白い制度の例で言うと『有給休暇が取り放題』なことですね。それで仕事が滞るのは自己責任だと考えているようです。日本はルールが硬い分、自己責任の意識が薄いと感じます。自由には自己責任が伴います。だからといって、ルールが硬いことがいけないことだと思わないです。自分にあったルールのレベルを知る必要があり、これは経験してみないとわからないと感じています。
他にも『経費を使う際に上長の許可が入らない』などの制度例も記載されていました。決定のスピードアップのためだそうです。事後報告で『会社のためになると思って』と言えばいいようです。失敗することもあるんでしょうが、成功することの方が多いからこそ成長しているんだと思います。この本は気づいていない暗黙のルールに気づかせてくれる本でした」
朴「自由と自己責任がうまく両立するバランスをとって運営している企業だなと感じました。また、それが合う人を採用していからこそ成り立つんだと思います」
DX事業中途採用Kさん「そう思います。ただ、採用をがんばっているわけではなく、『合わない人が自然と抜けていく環境』みたいです。例えば、社員全員の給料がオープンになっているらしいです。そのため、他人から常に評価されている状態にあり、その分頑張らないと思って働けているのだと思います。日本企業には難しい話かもしれませんし、全て取り入れる必要もないと思います。日本では『働き方改革』の話も出ていますが、実際現場では上司に『休め』と言われても業務が追いつかず休めないことも多いと聞きます。ただ精度だけで休みを増やすのではなく、根本的に生産性を上げる必要がありますよね。規則や制度を作るときには、ぜひみんなの幸せや生産性の面も意識していただけると嬉しいと思います」
前野「生産性を上げるために無駄な評価に時間を使うのはもったいないという話という認識であっていますか?」
DX事業中途採用Kさん「それもひとつあると思います。評価する方もされる方も憂鬱であることが多いです。それがもっとポジティブになればいいなと感じています。ただ、そこだけ変えても難しいという側面はもちろんありますが…」
前野「つまり、まだまだ無駄なルールが多いということでしょうか?」
DX事業中途採用Kさん「ルールもだし、例えば会議もですね。『なぜそうなっているのか?』を改めて考える必要があると思います」
朴「盛り上がっているところ恐縮ですが、時間もかなりすぎてしまっているので本日はここで切り上げたいと思います。ご参加いただいた皆様、本日はありがとうございました」
関連リンク
▼セミナー・交流会を動画で視聴したい方
以下のフォームへの入力をお願いいたします。
フォームへの記入が確認でき次第、YouTubeの視聴URLをお送りいたします!
https://forms.gle/Jmv4o4EvZkvijLPo7
▼交流会 前編はコチラ
https://note.com/preview/nefa34e3fc310?prev_access_key=c9037859a895953c750932544b7bbb06
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?