大きな街ならばすんなりうまくいくことも中小の町ではいくつかくふうが必要
はじめに
個人事業であらたなアイデアでなにかを興す場合、大きな街ならばそれなりの需要を予測しやすいかもしれない。それを小さな町でおこなうには需要を掘り起こしや、ヒトの密度が疎なため広域で存在を知ってもらう労力が必要。
店舗まえの人流が日に10人を超えないならば(まさにそんなところ)、探して遠くからいらしてもらえるだけの魅力で集客する。そうたやすくはない。
きょうはそんな話。
教室をひらく
そろそろ事業をとじる。どうにか20年ほど4人家族が食べるだけはなんとかなったし、のこりの人生をほそぼそとくらすだけはなんとかなりそう。ただしこれからなにかをはじめるならばもうひとつ資金をしっかり確保もしくは運用してからでないとはじめられない、と書きかけ、そうかそんなことはしなかったと思いなおす。
じつは事業(中・高校生中心の学習サポート)をはじめるにあたり、なにも大きな出費をともなわなかった。なにしろ自宅(ローン完済)の一部をそれなりにかたづけて教室とし、数回の新聞の折込広告を入れただけで開業。
地方の町で
そこを拠点にポスティングで広告をしつつ各地をまわり教室をふやしていく。一時期だけアルバイトの大学生を雇い入れたが実質的にはひとりでできる以上にはひろげなかった。それでなんとか食べていけて自分のこどもたちを都会の大学に入れられた。無借金経営をこころがけいっさい銀行のお世話にはならずに済んだ。
同業者がなかなか黒字がむずかしくて…という話がなかなかピンとこないまま。なんでそんなに経費をかけるのだろうといつも逆にこちらが聞いてみたかった。
中山間地で
じつはとなり町の同業者のなかにはわたしよりももっと辺鄙(失礼)な場所で事業を営む方がいらした。評判がさらに評判をよび、山道を通りすぎ背の高さを超える草をよりわけて進むさきにようやく軒先がある。そこへ保護者と生徒が日々おとずれるという。その町でそこがもっとも評判らしかった。
積極的に広報しておらずすべては実績。評判は生徒や保護者から口づてでひろがるもの。広告をひんぱんに出してもできるものでないと確認できた。それはわたしのところでも感じる。評判なしではやっていけない。それでもふしぎなぐらい生徒はとぎれない。探して訪れるぐらいの方は熱心につづけられる。
ことわるほど多すぎないぐらい。保護者の方々のあいだで相談して「さて、つぎはうちの順番。」というふうに話し合いをされているわけではもちろんないだろう。なぜか連綿ととぎれなかった。おかげさまでこの状態で20年つづいた。
あらたな事業
今後どうするか。ネットでは学習サポートは細々とつづける予定(jinnote35?gmail.com ?を@に)。
そしてこの地でちんまりとやりたいことがある。現在、大学でボランティアとして研究をサポート。大学を経由して寄付するやりかたでは間接経費で何割もとられてしまう。そうせず自己資金でなにやから購入し自宅を研究所と銘打ち、手もち資金をもちだし気味でたまに大学に顔を出し(週2回)つつ下ざさえ。
このところ資金をとりくずしはじめた。もっと運用しないとならない。当面それを補うぐらいでちょうどいい。なにも大学やそのうしろにひかえるクニにたよる気は毛頭ない。間接経費で何割ももっていかれるのはごめんこうむりたい。自分だけでやればそんなに間接経費はかからないし、最初からヒトを何人も必要とする大きなプロジェクトにする気もない。
おわりに
そこでやりたいのは人材育成。ネットの使える時代。地方でヒトの多くない場所でもやれること。人材を途切れさせてはいけない部分に関わりたい。そこをささえてうまく繋げられればと思うし、ぜひ実現したい。わたしがながくやれた教育の側面からできればなおいい。
おかげさまで各大学の研究者の方々と、この地ではないが遠くの民間企業の方々が協力がすすみつつある状況。おもしろくなってきた。
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