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拡大していくばかりが果たして成長や進歩といえるのかどうか
はじめに
職場の研究パートにおいて節電が実行できているか本部の抜き打ちチェック項目リストなるものが。注意喚起だけではないらしい。これってなんか遠いむかしを彷彿とさせる。中学や高校の服装や容儀の検査。登校する校門の脇や体育館などいつも気まずい雰囲気のなか先生たちのチェックがはじまる。
なにもそうしようとしてなくてもひっかかるおそれあり。わたしの場合は「髪を切りにいけ!」のお達しが多かったかも。こういう「抜き打ちチェック」なるもの、もうちょっと前むきに取り組める方法にもっていくことはできないか。なぜそうする必要があるのか根本のところから理解したほうが…。
きょうはそんな話。
微に入り細に入り
研究パートの職場。今回の本部からの通達はなかなか細かい。ついに研究室内の冷蔵庫のなかみまで触れるようになった。台数も極力減らせとのこと。もちろんその節電については理解するし協力して実行をこころがけている。冷蔵せずに済むならばそうしたい。たしかにもし未整理の冷蔵庫や冷凍庫があればが早急にことにあたる必要はある。
なかにはなやましいものがある。一例をあげると論文が受理されるまで、あるいはその論文が雑誌に掲載され読者(この場合は研究者)が内容を問い合わせたり、なかにはサンプルをほしいとの連絡が来たりする場合がある。そのたびに研究ノートや保存中の試料を確認する。たしかにいつまで保存しつづけるかは悩ましいところ。
本末転倒
実際にその経験がたびたびあるので研究者の端くれとしてそれには応えたい。論文のレフェリーや依頼者に冷蔵庫を節電のために試料もろとも処分しましたとは答えにくい。
とくに学術論文の掲載されるまでのあいだは、レフェリーたちから「追加実験せよ。」とか「ここの条件をこうすべき」などの問い合わせに再度実験して答えることも必要で試料などを待機・保持させておく。じつはそんな保留中のもの、今後の研究に必要なもので中はいっぱい。
今後それすら精選せよと大学側は言ってきそう。
本末を考えて
節電だけでなくやるべきことが思うように進まないのは原因がありそう。なぜ節電が必要なのか、そしてそれはどの程度であり、どうすれば達成されそうなのかの目標や理由づけの部分が欠落している。もちろん予算不足なのは承知している。さらに本部としては経費を増やしたくないのだろう。
納得しないままだから放置している、気にせず今のままにしている。これがたとえばリミットを超えましたのでこちらで電源を切りますと実行すればほんとうは明確だがそれは暴論。
それにいたるまでの大もとの「甘い」部分をみつけだすのが先決では。以前は学部長室など管理者の部屋には冷蔵庫がそなえつけてあった。いまはどうだろう。はたして必要なものだろうか。こんな点から指摘したり見つけ出したりすることはできそう。
やり方はありそう
はたしてキャンパス内にこんなに自動販売機は必要だろうか。この消費電力を上記の節電で減らせる量とくらべるといろいろなことが知れそう。母方の実家が雑貨屋で何台かそなえてあり、電気代がすごいと小耳にはさんだので気になる。
こうしたことがまだまだキャンパス内で点検すればありそう。ムダになっているもの、使わなくなったものを最優先で見直すと、研究や学生にばかりしわ寄せを与えず済みそう。
おわりに
世に本来ならば見直すべきものは数しれず存在する。縮小・改廃で目標達成の手段とするのもありそう。真っ先に見直すべきものがのさばっている場合すらあるだろう。生身のヒトに影響がおよぶよりもさきにそのあたりから探してはどうか。なにも拡大していくばかりがはたして成長や進歩といえるのかどうか。
思いきってまるごと整理の対象にみずから手をあげるのもいいだろうし、状況によってはかえって世のためヒトのためになるかもしれない。
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