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すこしねだんのおちついてきた野菜にあたたかさがほしくてミネストローネをこんだてにする

はじめに


 おなじみのスーパーの処分品コーナーのやさいをさがす日常からようやく開放された。その理由はやおやさんをみつけたから。

ずらりとならぶ多くが地域の農家さんから仕入れているそうだ。鮮度はとてもいい。みてくれはそれほど重視しないので価格はどれも値上がりまえをほうふつとさせるスーパーの処分品コーナーなみ。実質本位。

おかげでやさいふんだんのこんだてをつくれる。

きょうはそんな話。

つくれたおかげ

 やさいの価格が一時期ほんとうにどうしようかというぐらいまであがった。例年、端境期をはさむころは高くなるのはいたしかたない。農業をやっていたのでそのくらいはわたしとてわかる。

その時期はたねまきや苗をうえつけるタイミングなので、どうしても促成栽培や抑制栽培で時期をずらさないとできないし、手間や費用もかかってしまう。それなりに算段した値段になるのはいたしかたない。

それはそれとして消費者の立場になるとそうもいってられない。なるべく生産者や販売する方々に協力するかたちで処分品コーナーを優先してめぐるようにしている。いたむ寸前のやさいたちをどうにか生きながらえさせて、たべつづけるのはいってみればお手のもの。

やさいの消費

 これができなきゃやさいづくりなんてできない。いちどきにたくさんできてしまうのがやさい。どこの農家さんだって経験する。その品ばかりが食卓にならぶ苦労はあたりまえ。もっぱらこればかり生産というタイプではなかったせいか、その苦労はかるいほうだったにちがいない。

それでも得意のトマトの時期にはほんとうに顔まで赤くなってしまうのではないかというぐらいさまざまな種類、大中小の収穫したトマトがこれでもかというほど家のなかにあふれていた。どうにかひとつのこらずたべていくわけだからくふうも必要になる。

水1滴くわえないミネストローネ

 そんなときにいちばんのこんだてがミネストローネ。はっきりいってトマトなべ。水を1滴もくわえずにほぼやさいからでる水分だけでつくれる。こういうといかにも高級なイメージになりそうだが実態はトマトをこれでもかというぐらいつかい消費にむかう。

とほうもなく高いことしの残暑の時期ならば想像もできないかもしれない。いったいいくら費用のかかるなべになってしまうだろう。ことしの夏には想像もできないほど処分にこまるぐらいできていたトマト農家ならではのこんだて。

煮つまるとよぶんなだしをくわえずしおをごくわずかくわえただけで濃厚なだしがトマトからでる。ほかにたまねぎやじゃがいも、そのへんのまめなどなど。

かんづめトマトでつくる

 それがどうだろう。ことしの夏はトマトはほとんど買えなかった。もはや高級やさいの部類。したがってやむなく目のまえを素通りしてかんづめのトマトできのうはミネストローネをつくった。

ほかにはたまねぎ、にんじん、じゃがいも、ピーマン、キャベツと価格のおちついているやさいだけでなんとかつくれた。これで丸2日たべれるほどつくれた。

おわりに

 やさい料理が一品あるだけでちがう。おちつくというかさまざまな意味で安心できる。栄養もとれるしあたたまれる。しかもおいしい。

くりかえしてもあきないし、煮つまるとパスタとあえるとさらにおいしくたべられる。カレー粉やガラムマサラをいれるとひとあじちがったふうになる。パンにもごはんにも合う。

トマトがたくさんとれたころを思いだしながら口にいれた。


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