1年間分の大そうじをしないで済むように研究室の床ぶきを手作業でやりつつ気づいたこと
はじめに
たいていの研究所や大学では共用部分に関しては専属の清掃を行う方々がお仕事に従事されている。わたしがお手伝いするところもおなじ。しかし研究室の内部はそれぞれにまかされている。じぶんたちで清掃やごみを適宜かたづける。
気になるよごれをおとしてしまおうとぞうきんを手にとり水ぶきで実験室の床を拭いた。ヒントは東京国際空港のターミナルの清掃のプロの方々の作業のようすから。
手作業の一部をまねてみた。その結果、よごさないでいかにながく清浄な空間をたもつか、汚染などを防ぐには…などいろいろと手がかりが得られて有意義だった。
きょうはそんな話。
履物をはきかえる
この実験室はもともとバイオクリーンベンチを備える。細胞を培養するための操作や微生物の取り扱いなどをこのなかでおこなう。当然のごとくそのしつらえと日常の実験作業を維持するには室内を清浄にたもつ必要がある。履物を入り口で履きかえ、白衣で作業する。これをやりつづけるだけですいぶん外からいろいろなものをもちこまずに済む。
なにより最大の汚染源はヒト。あらゆるコンタミネーションはここから派生するといっていい。ぴっちりしたディスポーザブルの手袋をしっかり白衣の上まで覆うようにしつつ作業。
維持するには
たいていこの室内にいる。いつもは出勤時もしくは退勤まえにかるく掃き清めるだけだが、きょうはいい機会だからだれもいないうちに床ふきしようと思い至った。1年でもっともいそがしい時期にはそんなのんびりしたことはなかなかできない。ちょうどいい機会。
まずはいつものようにほこりをたてぬようにかるく掃きそうじ。そのあと手作業でていねいに水でかたくしぼったぞうきんで直に拭いていく。けっこう思った以上によごれているもの。ぞうきんへよごれが移るのがわかる。
床みがき
床をぞうきんがけすると、視点が変わってよごれがより目立つ。みつけてすぐにとりのぞける。これだけで今後しばらくのあいだは予想しない実験の不都合は多少起こりにくくなるかもしれないと思うとよけいにしっかりみがきたくなる。
15分ほどときめていたのであとは気づいたときにたびたびやるつもり。みちがえるほどきれいになった。やはりさっぱりしてきもちいい。全面が均等にきれいになるのでよごれを見つけやすい。
この樹脂製(リノリウム?)の床はもともとこまかな模様があり、よごれが目立ちにくいデザイン。洗剤を少量使うとよりきれいになるとわかった。ごくごくうすい中性洗剤ならばほかの実験器材などへの影響がすくなく無難と思われる。
おわりに
よく考えると、こうした足もとをみつめる作業はおなじようにさまざまある。ふだん気づけないところに目がいく。何の薬品や試料をつかうと床をよごしやすいのか、そして床をよごさぬように未然にふせぐにはどうしたらいいかなど。
よぶんな作業をふやさない手だてとなり、よりいっそう作業の効率化を図れる。もちろん汚さぬように使おうという意識が強くなる。
こうしてたまたま床を見つめ直し、意外なところに目が留まる。あきらかにつづけたほうがよさそう。なにも他のヒトをまきこむつもりもない。ほかと差をつけるためにこっそり自分たちだけのノウハウにしようか。またこうしてへんな妄想がはじまった。
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