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事務の範囲は?

フリーランスの事務を始めて3年目に突入しました。
この2年「事務とは」という戦いだったように思います。

なんせ「事務を知らない」まま起業する人たちが大半なので、事務じゃないことも事務だと思っている方が多いのです。
そして、法律に目を向ける方はごく一部なので「税理士法」との区別もつかない。

私が「それは税理士法に抵触するだろうなぁ…」と思っても、起業女性たちは「ぜひやってください!」と言ってくる。

「それは、税理士の仕事だと思うなぁ…」と仮に言ったとしても、抜け道を探そうとしたり。(それは違うでしょ…という)

私自身、それぞれのプロとそれぞれの良さがあるので、適材適所で仕事を依頼して欲しいと感じています。

私の広報不足ではありますが、ひっそりと事務サポートのメニューはあるものの、セミナーしかしていないと思っている方が結構多かった中、「事務の範囲とは?」といった投稿を目にする機会がありました。

拝見するなかで、それは違うよな…と思うこともあったので、私なりの

・事務の範囲とは?
・税理士と経理代行の線引き

を、まとめていこうと思います。


事務は便利屋じゃない

企業で事務職をしていたときも、今も感じていることですが事務は便利屋じゃないし、何でもできる訳ではないということ。

一番思っているのは、事務が出来る=パソコンが得意と思っている方が多い。

パソコンが得意にも色々種別がある訳で、そもそもの「メカニック的な得意さ」もあれば、「ExcelやWordの作成が得意」もあるし、「Photoshopやillustratorなどのデザインが得意」もありますよね。

私が出会ってきた人たちの中でダントツで多かったのは、

事務が出来る=パソコンはメカニック的な強さ

もちろん、中にはそういう方もいますが全員がそうではないということを頭の片隅に入れていてほしいです。
私みたいに、ExcelやWord、PowerPointは扱えるけど、パソコンの設定そのものは調べないと出来ない…という事務の人は多いと思います。


では、事務のくくりはなに?というところで、私が参照してほしいと思うのは求人情報サイトの区分ですね。ここで、「事務」と詠われているのは全て事務です。

・一般事務…書類のファイリングや管理、書類の作成・データ入力、電話や来客対応など

・営業事務…営業職をサポートする仕事。見積書や発注書・請求書といった書類の作成や発送、商品の発送や管理など

・経理事務…日々のお金の管理や伝票の処理、帳簿の作成など

・人事事務…職員の採用等に関する手続き、給与の支払い等に関する手続き

・総務事務…備品や設備の管理、社内外で行われるイベントの運営等

フリーランスとして活動する上で関係するものだけをピックアップしてみましたが、極論をいうとここに書かれていないものは「事務」ではありません。


それは事務というよりは…

よく、「ブログの代行をして貰えますか?」とか「名刺は作れますか?」といった問い合わせを受けますが、事務ではないので私はお断りしています。

・ブログ管理
・SNS管理
・メルマガ管理
・名刺・パンフレット作成
・メルマガ管理
・画像、動画編集
・SEO対策

こういった類のものを事務として受け付けているフリーランスさんもいらっしゃるので個別に確認されることをオススメしますが、これらは「事務」というよりは「IT・クリエイティブ・広報」だと思います。

デザインとかPRが絡んできますからね、一般的にいう職業の括りでは事務には入らないでしょう。

私自身、起業1年目のときはこれらをひっそりと代行したことがあります。「需要あるし、やってくれたら私頼むのに~!」って言われたので募集したら、言った本人から申し込みされなかったこともあります。
やってみると、やっぱり私が考える・私が理想とする事務業ではなかったので頂いていたお仕事も終了させてもらい、その後は私の中では「事務ではない」ということでお話を頂いてもお断りしています。

ここが、前半に書いた「事務が出来る=パソコンが得意」の勘違いと当てはまってくる部分なんですよね。

事務には事務が得意な人
名刺やパンフレットはデザインが得意な人
ブログやSNS管理はパソコンの専門的なことが得意な人

適材適所その道のプロがいるので、仕事を回すという点では専門外の人に仕事を依頼する若しくは依頼を受けるのは、私はちょっと違う様な気がしています。

ちなみに、私の名刺やブログのヘッダーなどはPhotoshopやデザインが得意な友人に依頼をしました。


フリーランス事務と税理士との違い

税理士は、税の専門家です。
税理士法上で、税務代理・税務書類の作成・税務相談等を行えると定められています。

逆に、税理士ではない人は上記のことを有償・無償関係なく業として行うと税理士法違反になるわけです。

なので、私は仕訳の仕方とか一般的に適用される勘定科目はお伝えしても、確定申告や税の深い部分の質問をされたら、「税理士に相談してください」とお伝えしています。

「友絵さんになら相談しやすいのに~!」なんて論外。

法律で、税理士以外はやってはいけないと定められているからです。
むしろ、その道のプロな訳ですから税理士以外の誰に相談する?ということになりますよね。

先日、とある調べ物をしているときにフリーランスの事務の方が確定申告に向けた相談会の参加者を募集している記事にたどり着きました。

完全に法律違反です。

この方は、税理士ではないからです。
もし、税理士ではないフリーランス事務の方がこういった講座を開催していても、税理士に聞くより参加しやすいと思っても、絶対に参加してはいけませんよ。
税理士に相談しにくいという感情もお持ちかも知れませんが、確定申告時期になると無料の相談会を実施していることが非常に多いです。そういった機会を利用して、税の悩みを解消していって頂ければと思います。


まとめ

私は、一般的な「事務」に特化したフリーランス事務をしたいと思っているので、ITやクリエイティブ・広報の話を頂いた際はお断りし、周りでそれを仕事にしている人がいれば紹介する仕組みをとっています。

中には、私が事務じゃないと思っていることも「事務」として仕事を受けているフリーランス事務さんもいらっしゃいますので、得意としている方の元で相談してみてくださいね。

事務としてお仕事を依頼出来るのか迷う場合は、お問い合わせ頂ければ適した職業の方をお伝えすることも可能です。

フリーランス事務は何でもできるわけではありません。
私たちがこうして活動できるのも、法律を基に行動しているからともいえます。お互いが気持ちよく仕事が出来る様、適材適所のプロに依頼し、仕事が回っていけばいいなと私は思っています。

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