言い訳に真因がある
■失敗は、知識化しなければ使えない
失敗の原因に対する深堀が浅いと、
その反省は、今回の失敗にしか使えず
応用が利かない
もしも、失敗したことを教訓として
次につなげれるならば、
他の事象にも共通する知識レベルまで
視点を高めて初めて、他の事象に応用できる
可能性が生み出される
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言い訳に真因がある
誰もが、同じような失敗はしたくありません。そのため、失敗した際は、その原因を振り返り、再発・未然防止を目指して教訓をつくります。しかし、失敗した原因解明の精度によっては、せっかく作った対策案が、教訓として機能しない場合があります。
ある自動車整備会社で、車の点検偽装のトラブルがありました。その会社では、再発防止として、点検の際は、担当以外に第三者の二重チェックを行うとしました。この対策は、一般的な視点から考えて間違っているとは言えません。しかし、よくよく整備士たちの話を聞くと、偽装した理由は、日中の業務が多すぎて、手順通りに点検すると時間が掛かるため、偽の合格の判定を出していたことがわかりました。
これが、偽装を行った真の原因だとして、先ほどの第三者による二重チェックの対策は、再発防止案として正しいでしょうか?もしも他の部署でも同様に、業務過多で通常の手順を飛ばしているのであれば、今後、この会社では点検偽装以外にも、問題が出てくるかもしれません。
問題に対する、言い訳や愚痴は、主観的な情報で、仕事などの報告には残らず、消えてしまいます。しかし、今の例のようにmそこにこそ目を向けるべき真の原因が隠れています。つまり、偽装した会社が真の原因の再発防止のために取り組むべきことは、一人の人間ができる業務量の適正化に努めることです。そして今回の問題で得られた教訓としては、人はプレッシャーなどを感じた場合、無理をするために、どこかを疎かにしてしまうということでしょう。
最初の第三者による二重チェックの対策は、「問題Aが起きた、だから今後は、Aが起きないようにする」という出来事に対する裏返しにしかすぎません。これでは、対策はAという問題の場合でしか再発防止として使えません。
もしも、本当に失敗から学ぶのであれば。Aに近い、Bという問題に対して防げるレベルで思考を掘り下げる必要があります。失敗が起きた原因を深く考察し、本質を抜き出した後、それを類似した場面でも起こりえないが想定する。知識として残さなければ、次に生かすための教訓とはならないのです。
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