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とっておきのツッコミ

わたしはカタカナが苦手だ。
いや実のところ、漢字もひらがなも、
言ってしまえば、日本語全般が苦手だ。
いや、苦手というより
「いい加減に覚えている」
と言った方がぴったりくる。


KALDIというお店の名前が
なぜか覚えられず、
カルーア
カルーダ
カリディ
と自由に呼ぶ。
今では間違えたままでも
家族には通じるようになった。


そういえば外国語も苦手、というか、いい加減。
花の都パリへ行った時は
パッサージュで「Hotel Chopin」を見て
「ホテル・チョッピン!泊まってみた~い」
この発言を聞いたショックなのかどうかは知らないけど、
夫はこの旅の終盤で発熱。
(正解は「ショパン」です)

キャプチャ


慣用句も往々にして苦手。
「お母さんは家族のために身を粉(こな)にして働いてるわけよ、分かる?」と
間違えながらいばる。
もちろん間違ってるので誰も称えてくれない。



と、
ボケてる母の話はどうでもよくて
娘の話だ。


**********


娘は2年2組。

担任の先生は50代くらいの女の先生。
この先生、ちょっとおっちょこちょいで、いろいろ間違えるそうだ。

そしてなぜかずっと2年生ばかり受け持っている。
去年は2年1組の担任。

だからなのか、
何か教材を隣のクラスに借りに行くときは、
毎回毎回
「ちょっと2年2組に借りに行ってくるね」
と言うらしい。
2組は今年受け持っているクラスなのだけど。


家で母に
ツッコミしまくってる娘は
すかさず

①1組のことですか?

②2組はここですよー

③自分のクラスに借りに行くんかーい!


と、
その日によって
いろいろな表現で
先生にツッコんでいるらしい。

そして
この話をしながら、娘が耳打ちしてくれた。

「あのね
"自分のクラスに借りに行くんかーい!"っていうやつはね、
とっておきのツッコミなんだよ。
これ出すと、
シーンとしてる時も
みんなが笑うから」


とっておきのツッコミが世界を救う。



きっとそうだ。
お母さんはそう思う。


だからお母さんも
このままいろいろ間違えたままでいよう。
そして
「とっておきのボケ」を用意しておかなくちゃ。

そうしたら娘を笑顔にできるから。