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2021夢日記 捕まらない男 ji-jyo 5月17日


僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。

昨日は珍しくあまり長い夢や、複数の夢を見ることはなく、短い夢が一つだけだった。

始まりは家の近所を友達と散歩しているところからだった。

『なあ、お前さ。今日の夜ゲームやらない?』

友達が急にそんなことを言いだした。

『ゲーム? 家でやるヤツ? プレステとかswitchとか?』

『違う。違う。なんていうかリアルな。リアルゲーム。』

『何それ? よくわからないけど、まあやってもいいよ。』

『よーし。決まりな。それじゃあ簡単にルールを説明するぜ。』

・指定された住所の家にいく。そこからスタート。
・ゲームは一人で行い、他者からの協力はNG
・時間は無制限。ターゲットを捕まえるか、ギブアップするかで終了。

『まあ、たったこれだけよ。簡単だろ? ただな、このゲーム。クリアできたヤツはまだ誰もいないんだ。』

『そうなんだ。ただターゲットに人物を捕まえるだけなのに?』

『まあやってみればわかるさ。あ、それとゲームがクリアできたら賞金が10万円もらえるぜ。』

『マジか! それ最高じゃん。』

『じゃあ住所はお前のスマホに送っとくわ。開始はこの後、20時からな。』

そんなやり取りのあと、僕はゲームの内容は大して考えもせず、賞金10万円のことで頭がいっぱいだった。

ゲームのスタート地点にあったのは、どこにでも見かける平屋の一軒家だった。僕は開始10分前には到着し、すぐに目的を達成する気満々だった。

時刻は20時を迎えた。まずはこの家にいるであろう、ターゲットを探すところからだ。

でも玄関は暗いし、一見、留守なんじゃないかと思えるほど、何も気配を感じないな。でも何かヒントがあったわけじゃないし、たぶん最初はここにいるんだろう。

僕はひとまず家の周りをぐるっと一周して中の様子を観察することにした。
一通り見て回ったがやっぱり外からは電気がついてる部屋さえ見つけることができない。ここは玄関の引き戸を開けてとりあえず中に侵入してみるか。

玄関に戻り引き戸を開けようと試みたが鍵がかかっている。なんだこれ。ゲームスタートってことになってるのに、これ、留守なんじゃないか?

大して時間も経ってないのにだんだんイライラしてきた。
そういえばさっき裏の勝手口のほうに小さなドアがあったな。
とりあえずそっちに行ってみるか。

裏の勝手口に回り、そっとドアノブを回してみると、こっちはあっけなくドアが開いた。僕はなるべく物音を立てないように慎重に家の中に侵入した。

中に入るとまずはキッチンのスペース。やっぱり真っ暗で家の中には誰もいる気配が感じられなかった。

奥の部屋に繋がるドアをそうっと開けて見る。
相変わらず暗いが、少し先の部屋から薄っすら青白い光が見えた。

あれは、きっとテレビの光だ。いた。あの奥の部屋で電気もつけずにテレビを見ているんだ。ターゲットはゲーム中だとわかってるんだよな? これでもし簡単に捕まえられたら、10万円もらえるなんて本当か? 簡単すぎるでしょ。

そんな少し小馬鹿にしたような気持ちで、ゆっくりと静かにターゲットがいるであろう部屋に忍び寄った。

半開きになっているドアの隙間から中を覗く。テレビの光が明るくなるたびにおそらくターゲットであろう人物の影が伸びる。
間違いない。いる。いるよ。僕の10万円。グフフ。余裕でしょ。

高ぶる気持ちを抑えきれなかった僕は、一気にドアを開けて伸びる影の先に駆け寄った。 

『見~つけた!!』

伸びた影の先に会ったのはターゲットなんかではなく、まくらやクッションで作られたダミーだった。

『クッソ! そりゃそうか。こんなあっさり見つかるわけ…。』

『ハハ。簡単だなって思ったよね? みんなそう思うんだ。このゲーム。最初はね。』

!?

ドアの影に隠れていたのか!? 僕のすぐ背後から耳元にそう囁いたターゲットは明らかに僕をあざ笑っていた。

僕は急いで振り返りターゲットを捕えようとしたときには、もうそこにはおらず、まるで一瞬にして消えてしまったようだった。

暗いし、知らない家だし。どうも分が悪い。そんなことを考えていると、玄関の引き戸が開く音がした。

まずい! 逃げられる!! 追いかけなくてはと焦るあたりで今日は目が覚めた。

なんだかおちょくられた気分の朝だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。


【2021 4月夢日記 ~ji-jyo~】


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ji-jyo
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