見出し画像

10月は里親月間:里親と社会的養護施設がつくる新たな支援の形

10月は里親月間です。
この機会に、里親制度と社会的養護施設が協力して築く新たな支援の形について考えてみましょう。

里親制度とは

里親制度は、様々な理由で実の親と暮らせない子どもたちに、家庭的な環境を提供し、愛情と個別的なケアを通じて成長と自立を支援する制度です。
里親家庭は、子どもたちにとって安心できる居場所を提供し、将来的な自立を目指すための重要な役割を担っています。

里親の種類

里親には、以下の4つの種類があります。

  1. 養育里親: 養子縁組を前提とせず、一定期間子どもを預かり養育します。

  2. 専門里親: 虐待や非行など、特別なケアが必要な子どもを養育します。

  3. 養子縁組里親: 養子縁組を前提に、養親として子どもを迎え入れます。

  4. 親族里親: 祖父母などの親族が里親となり、子どもを養育します。

また、5人以上の子どもを養育する「ファミリーホーム」という制度もあります。

里親さんの課題と社会的養護施設との連携の重要性

里親さんは、施設とは異なり、日常的に相談できる窓口が少ないため、孤立感を抱きやすい状況にあります。
里親さんが全てを一人で抱え込まず、社会的養護施設との連携を通じて適切なサポートを受けられる体制が必要です。

社会的養護施設と連携することで、里親さんは施設の専門職と協力し、子どもへの支援をより効果的に行うことができます。
こうした連携は、里親と施設が協力して子どもに最適な支援を提供する新たな形です。

社会的養護施設との連携事例

私がマネジメントしていた自立援助ホームでは、里親さんと社会的養護施設が密に連携することにより、効果的な支援が実現していました。
例えば、ある里親さんが里親委託前に自立援助ホームでパートタイム勤務を行い、その経験を通じて子どもへの支援の方法を学びました。
里親委託後も、施設との連携を続け、支援の質を高めるために必要な相談を行っています。

このような連携事例は、他の社会的養護施設でも取り入れられ、里親と施設が協力することで子どもたちにより良い環境を提供できます。

たすけあいとのオンラインプラットフォーム構築

さらに、私たちはたすけあいと協力して、里親さんや社会的養護施設が活用できるオンラインプラットフォームの構築に向けて動いています。
このプラットフォームでは、里親さんが専門的な知識を学ぶ機会を提供し、日常的な相談ができるコミュニティを形成することで、里親さんが孤立しにくくなる環境を目指しています。

このプラットフォームを活用することで、里親さんは施設の専門職からのアドバイスを受けたり、他の里親さんと交流しながら、より安心して子どもたちに向き合えるようになります。

連携の利点

里親制度と社会的養護施設が連携することで、次のような利点があります。

  1. レスパイトケア: 里親さんに休息の機会を提供し、心身の負担を軽減します。

  2. 支援相談: 子どもに関する課題について、施設の専門職と協力し、適切な解決策を見つけることができます。これにより、里親さんが抱える問題にも柔軟に対応できます。

家庭的養護と施設養護は両輪である

家庭的養護(里親制度)と施設養護(児童養護施設、自立援助ホームなど)は、子どもたちの最善の利益を守るために互いを補完し合う両輪です。
ある子どもには家庭的な環境が最適であり、別の子どもには施設の専門的な支援が必要な場合があります。
重要なのは、子ども一人ひとりの状況に応じて、柔軟に対応できる支援体制を構築することです。

このように、多様な支援体制を整えることで、里親制度と施設養護は互いの強みを活かし、子どもたちに最も適した支援を提供することができます。

連携がもたらす利点と人員確保

社会的養護施設と里親制度の連携には、次のような利点が期待されます。

  1. 里親さんの相談窓口の拡充: 施設との連携により、里親さんが孤立することなく、専門的なサポートを受けられる体制が整います。

  2. 人員確保の促進: 里親さんが施設での勤務経験を積むことにより、社会的養護施設の人員確保にも貢献し、支援の質の向上が図られます。

まとめ

里親制度と社会的養護施設が連携し、子どもたちに最適な支援を提供することは、新たな支援の形です。
また、たすけあいとの協力によるオンラインプラットフォームの構築は、里親さんが専門的な支援を受けやすくし、孤立を防ぐための新しい手段です。
家庭的養護と施設養護は対立するものではなく、子どもの最善の利益を守るために共に機能する両輪です。
10月の里親月間をきっかけに、こうした連携の重要性がより広く理解され、実践されることを期待しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?