肥満の人は認知症になりにくい?
英国で行われた大規模研究では、中年期に肥満だった人では、正常体重または低体重の人に比べて認知症を発症しにくいことが報告されました。
肥満者では、正常体重者に比べ15年後の認知症発症率が30%低く、低体重者は正常体重者より認知症発症率が34%高いという結果でした。
この結果に関しては、あまり本質的なものではないと私は考えており、運動が認知症の予防に効果があることが証明されており、運動をすればするほど認知症の予防には良いとされております。肥満者は歩くだけでも正常体重の人と比べると動作に使用するエネルギー量が変わってきます。そのため、肥満者(少し太り気味)は普通の生活をしていても運動量が必然と高くなっています。そのため、低体重者よりも筋力が維持されやすく、なにもしていないのに運動習慣があるような状態になっているといえます。認知症が肥満者に少ないのは、おそらくここが本質的な部分だと思います。
もちろん重度の肥満者は生活習慣病等の病を発症する可能性が高いため、総じて寿命が短くなりますので、たとえ過体重によって認知症の予防効果があったとしても、その便益を得るだけの長生きはできないでしょう。
なので、肥満者だから認知症になりにくいといったような短絡的な考えではなく、早い段階から運動習慣を身に着け、その重要性に目を向けるべきです。