6/20 ニュースなスペイン語 Anapelo azul:ヨウシュトリカブト
学名は「Aconitum napellus」、和名は「ヨウシュトリカブト(洋種鳥兜)」――。
ヨーロッパで最強の猛毒を持つ植物(la planta más venenosa de Europa)との異名を持つ。
キンポウゲ科(familia de ranunculáceas)に属し、概ね1メートル(Mide casi un metro)くらいの高さになるこの植物は、1〜2ミリグラムで成人を1時間も経たずに死に至らしめるのに充分(uno y dos miligramos de su veneno es suficiente para matar a una persona adulta en menos de una hora)な毒性を有す。
「オオカミゴロシ(matalobos(mata=殺す;lobos=オオカミ)」という物騒な俗称があるのもうなづける。
1500〜2500メートルくらいの標高(altitud)に自生し、7月〜10月くらいに花をつける(florece desde julio hasta octubre)。
先週の金曜日、カタルーニャ州ジローナを散策していたハイカー(excursionista)が、あろうことか、このヨウシュトリカブトを口にして(ingerir)、重篤な状態(estado grave)で地元の病院に緊急搬送された。
ヨウシュトリカブトを食べると、まずぞわぞわした蟻走感(hormigueo)と口が焼けるように熱くなる(ardor en la boca)という。
次に吐き気(vómitos)、不整脈(arritmias)、視覚(visuales)、歩行(motoras)、呼吸(respiratorias)などに異変(alteraciones)が症状、皮膚が青紫色(la piel azulada)にうっ血するらしい。
それでいて、この植物用の解毒剤は存在しない(no existe un antídoto para su veneno)というのだから、誤飲したら、一刻も早く(lo antes posible)医師の元に行き、胃の洗浄(un lavado de estómago)などの措置を受けるよう専門家は言う。
そして、食さなくても、その毒性は近隣の植物の根から伝染する可能性もある(puede traspasar a las raíces de las plantas vecinas)というから、近寄らないのが一番(lo mejor es mantenerse alejado de la planta)と専門家は話す。
ヨウシュトリカブトは、これに似た食用の別の植物と間違われる(puede confundirse con otras plantas que sí son comestibles)ことがあるらしい。
日本でも、よく秋口になると、毒性のあるキノコを誤って食べて具合の悪くなる人が続出する。
野に生えているものをつい口にしたくなるのは、ハイカーの性か。
写真はヨウシュトリカブト。
ちなみに、この花を記事では「青(azul)」と表現する。
別の記事では「青と紫の色合い(de tonos azules y morados)」とか「青みがかった紫(morado azulado)」などとも表現されている。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230619/excursionista-girona-grave-anapelo-azul/2449953.shtml