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8/19 ニュースなスペイン語 Gazpacho:ガスパチョ

ガスパチョはスペイン発の冷製スープだ。日本でも知っている人が増えてきた。

小生も夏になるとよく作る。トマト(日本では高いからトマトジュースで代用)、オリーブオイル、酢、玉ねぎ、ピーマン、キュウリ、塩をミキサーでかくはんすれば出来上がり。分量はお好みで(al gusto)。

夏になると、レシピサイトには、必ず1回は、ガスパチョがお目見えする。随分、色々なバリエーションがある。

1.イチゴガスパチョ(Gazpacho de fresa

トマトやキュウリ、酢、ピーマン、オリーブなどの定番の材料にイチゴが入る。普通のイチゴの代わりに、大粒のイチゴ(fresón)を入れるレシビもある。

2.スイカガスパチョ(Gazpacho de sandía

定番の材料の他にスイカが入る。ピーマンの代わりに、パプリカを焼いたもの(pimiento asado)を入れるのがミソ。

3.ホワイトガスパチョ(Gazpacho blanco

もはや、トマトは入らない。ガスパチョという名も付いてるが、一般的には、「アッホブランコ(Ajo blanco)」、つまり、「白いニンニク(スープ)」という。ニンニクの他にアーモンド(almendra)を入れる。完成したら、マスカットを乗せる。

4.メロンガスパチョ(Gazpacho de melón

これにもトマトは入らない。その代わりに、名前が示す通り、メロンが入る。特徴的なのがミント(menta)だろう。レモン(limón)も入る。最近見たレシピには、アオサ(lechuga de mar)を入れたものもあった。

5.ホットガスパチョ(Gazpacho caliente

もはや、冷たくもない。材料はキュウリ以外、定番のトマトを中心とした物。

6.飲むガスパチョ(Gazpacho para beber

何とも不思議な名前だが、ここまで見てきた写真では、どのガスパチョもスープカップに入っている。だから、ガスパチョはスプーンで「食べる(comer)」ものなのだ。でも、ここで取り上げるのは、コップに入った、文字通り「飲む」ガスパチョだ。

上に1〜5の中で意図的に触れてなかった材料がある。それが「ちぎったパン(miga de pan)」だ。パンが入るので仕上がりはモッタリした食感で、コップからグビグビは飲めない。やはり、スプーンで一口一口、「食べる」しかない。

しかし、この6のレシピにはパンが入らないので、サラッとしていて、ゴクゴク飲める。小生が作るのは、この「飲める」ガスパチョだ。

色も、温度も、材料も、容器も共通点はほぼない。これがなければガスパチョではない、と言えるものは……。

ん〜、せいぜい、オリーブオイルと酢と塩くらいか?ということは、これをミキサーで混ぜれば、究極のプレーンガスパチョができるんじゃないかしらん……。

写真は伝統的なアンダルシアガスパチョ(gazpacho tradicional andaluz)。なんかホッとする。

ところで、Gazpachoの語源は諸説あるが、ラテン語の「caspa(残り物)」から派生したと考えるのが自然だろう。一方、「-acho」は「取るに足りないもの」を表す接尾辞。これもラテン語語源。

語源から考えれば、料理で余った、捨ててしまうようなものを何でも良いから混ぜたもの、ということになるのだから、材料は何でも良いのだぁ。

出典は各写真の太字の部分と「receta(レシピ)」で検索して下さい。