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11/9 ニュースなスペイン語 Carlos Mazón:カルロス・マソン

バレンシア州を襲った寒冷低気圧(DANA)は、小欄でもほぼ連日、紹介しているように、9日現在、223名が死亡、93名が行方不明となる大惨事となった。

この度の寒冷低気圧が例年のタイプとは異なりバレンシア州に留まり続け、5時間足らずで同州の年間降雨量にほぼ相当する雨を降らせたという特異な性質があったということと相まって、災害発生時、初動態勢、また、その後の災害マネージメントの各段階で色々な不手際があったことが次第に明らかになってきた。

中でも今後矢面に立たされることになる(いや、まさに、今、矢がブスブス当たっている)のがバレンシア州知事(President de Genaralitat valenciana)のカルロス・マソン(写真)である。

ポデモス(Podemos)党首イオネ・ベララ(Ione Belarra)に「殺人知事(gestor homicida)」とまで糾弾されたマソンだが、昨日行われた記者会見で避難警報(alerta)が出された10月29日の午後、知事はどこにいたかの質問が飛び交った。

これはここ数日、最も争点となっている質問の内のひとつ(las preguntas más repetidas en los últimos días)。

災害対策会議(reunión de gestión de la crisis)が当日17時に召集されたが、マソンがこの議場に現れたのは19時になってからのこと。

じゃあ、その間、何をやっていたかというと、どうやら、対策会議がなされている官邸(Palau de la Generalitat)近くの有名レストラン(restaurante conocido) 「エル・ベントロ(El Ventorro)」で、ある女性記者(la periodista)とお食事をしていたらしい(comió)。

記者の名前や写真も公開されているが、ここでは伏せておこう。

バレンシア州が運営するテレビ局ア・プント(À Punt)の運営(dirección)の打診をしていたそうで「あくまでも業務上のランチ、それ以上でも以下でもない(un almuerzo de trabajo y ya está)」とのこと。

結局、記者はこの申し出を断った(rechazó el cargo)みたいだけど。

当然、何故、すぐに食事を切り上げて、対策会議に合流しなかったのかという疑問も出るが、「当時、私は起きていた全てのことを、逐一、個人的に報告を受けていた(Estuve comunicado todo el rato personalmente con todo lo que ocurría)」から、まぁ、問題はなかったと言いたげ。

ただ、この食事、バレンシア州のウェブサイトに公開されている公務日程には出てきてないとのこと(no aparecía incluida en su agenda oficial, que estaba disponible en la web de la Generalitat)。

だから、当然、女性記者とのプライベートな食事(comida privada)だったのではないかと、まぁ、人は思う訳だが、「私が誕生日の食事会みたいな場にいたのではないかなんてよく言えるものだ。断固、違うと申し上げたい(Cómo se puede decir que estaba en un cumpleaños? No, lo desmiento categóricamente)」とのことなので、取りあえず、今後の言い訳(excusa)を待つことにしましょ。

あと、もうひとり渦中の人物が非常事態の責任者(responsable de emergencias)を務める地方議員(concellera)サロメ・プラダ(Salomé Pradas)という人物(以下の写真)。

プラダは先の災害対策会議の委員長を務めていたが、何と、避難警報のことを知らなかったというのだから、驚き。

この警報システムはバレンシア州が1年半前から運用しているものだが、「もちろん、緊急事態の際、住民に大量のメッセージを送るシステムがあることは知っていた(Por supuesto que conocía la existencia del sistema de envío masivo de mensajes de alertas a la población en casos de emergencias)」が、それは「緊急対策委員会での承認待ちの案件(un borrador que está en el Comité Nacional de Protección Civil por aprobar)」かと思っていたそう。

さてさて、マソンが記者との食事を切り上げ、重い腰を上げたのは、フォラタダムが決壊の恐れがあると聞いた時(fue informado del riesgo de ruptura de la presa de Forata)、「事態が急激に変わった(cambio radical del escenario)」と認識したから、とのこと。

それから先の対策会議に合流したというから、絵に描いたような呑気おじさんで、殺人知事とのそしりを受けても、まぁ、やむを得ない(ところで、ワインも呑んでたのかしらん?さすがに、無いか……)。

マソンもプラダも驚く程、無知で無関心、そして、平和ボケしていた。

写真は記者の質問に答えるマソン。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20241108/mazon-comida-vilaplana-direccion-punt-dana/16322711.shtml