4/22 ニュースなスペイン語 Debate:討論会
5月4日のマドリード州知事選挙に出馬する各党の立候補者が21日、テレビの最初の討論会(primer debate)で舌戦を交えた。
いくつか見せ場はあったが、そのうちのひとつを取り上げよう。
【第3ラウンド】イサベル・ディアス・アジューソ(国民党(PP))vs パブロ・イグレシアス(ポデモス党(Podemos))
【結果】イグレシアスの猛攻をものともせず、見事な反撃に転じ、イグレシアスを完全にマットに沈めたアジューソの勝ち。
「ヘラヘラするな(No sonría)」―。イグレシアスがアジューソに言ったことばだ。3回言った。
イグレシアスがアジューソに、マドリード州は、スペインの全自治州の中で最悪の死者数を出したとして、同州のコロナ対策の不備を批判し、死者数を誤魔化している(mentir)と指摘している時、アジューソの口元は明らかに緩んでいた。
アジューソの番が回ってくると「私が笑ってたのは」と切り出す。「あなたが変な人(personaje)で、こちらが恥ずかしくなるようなことをおっしゃるものだから(da vergüenza ajena)」と応じる。そして、イグレシアスに向かって、次のように言った:
あなた、マドリードではほとんど好かれてないんですよ。マドリード市場なんかを歩いてごらんなさい。みんなが思っていることをあなたに言うはず。あなたたちは(コロナで大切な人を失った)家族の悲しみを食い物にしている。こちらが恥ずかしくなる(una persona muy poco querida en Madrid. Si pasea de verdad por los barrios humildes o, por ejemplo, por Mercamadrid, le dirá la gente de la calle lo que piensa. Da vergüenza ajena, están todos utilizando el dolor de las familias)。」と立て板に水のごとく、イヤなことをすらすら、ずけずけ言う。
そして、次のようにまくし立て、イグレシアスを完全にノックアウトした(Ayuso noquea a Iglesias):
あなた、老人施設に何回行かれました?あなたが行ったのは、どうせ、ご自慢のご自宅だけでしょ。マドリードのことなんかまったく見向きもせず。(大雪の時の)災害救助隊だけですよ、助けてくれたのは。(今日、この討論会にいる)6人の中で唯一、私だけが感染の一番大変だった時、マドリードで指揮をとっていたんです。あなたがた、私をせせら笑う以外、何かなさったかしら。イグレシアスさん、あなたなんて、もちろん、施設には来ない、病院にも来ない、マドリード市民の感情だって共有できていない、信じてなんかもらえない。あなたはしょせん、1議席すら取れない選挙にためのプロジェクトをやりに、(マドリードに)ちょこっと顔を出しただけじゃないですか(¿A cuántas residencias fue usted? Usted al chaletazo, sin ayudar nunca. Sólo la UME nos ayudó. Soy la única de los seis que estuvo al frente de la Comunidad Madrid en los momentos más difíciles de la pandemia, y ustedes, salvo insultar, no hicieron nada. Y, por supuesto, el señor Iglesias, ni se pasó por una residencia, ni vino a un hospital ni tiene empatía ni es creíble. Es una pantomima que ha venido a rescatar un proyecto para ni siquiera coger el escaño)。
そして、次のように言い放って、アジューソの番は終わった:
イグレシアスって人は、スペイン政治史上、最高にしみったれ(Es lo más mezquino de la política española)。
現場で実際に動いていた人間は強い。再選街道まっしぐらのアジューソだ。
写真はJotapob.com(4.22)より。厳しい表情でコロナの死者数について追及するイグレシアス(左)と不敵な笑みを浮かべるアジューソ(右)。この後、3回に渡り「ヘラヘラするな」とイグレシアスにたしなめられる。