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6/13 ニュースなスペイン語 Crisis de Argelia:アルジェリア危機
6月10日の続報(しかし、まぁ、問題の「根っこ」はもっと遡るが…。詳しくは10日の記事を参照されたい)。
アルジェリアがスペインと20年近くに渡って締結してきた、通称「友好条約(Tratado de Amistad)」を破棄したのが5日前。
そして、立て続けに、アルジェリアはスペインとの全通商を凍結すると発表した。
スペインは、アルジェリアが、加えて、天然ガスの供給を止める(cortar el suministro del gas)のではないかと戦々恐々としていたが、ひとまず、最悪の事態は回避できそうだ。というのも、アルジェリアの高官が、ガスの供給の停止を含む通商の凍結は、担当者の「頭だけに存在している(solo existe en la mente)」と述べ、これを実行することはないと述べたのである。
なかなか、大人の対応だ。
一方のスペインは、友好条約の破棄や通商関係の凍結などの結果(consecuencias)までは読み切れていなかった(no ha sabido calcular)とまで言われていて、アルジェリア対応に関しては、完全に失策だった。
そして、国連の欧州委員会(Comisión Europea)に泣きついて、「我々(=欧州委員会)はアルジェリアに対して、破棄決定に関して、思いとどまるよう要請した(Apelamos a Argelia a dar marcha atrás en esta decisión)」と声明を出してもらうにまで至った。
何とも、情けない。自分で蒔いたトラブルのタネは自分で何とかしないと・・・。
アルジェリアとの通商危機は回避できたものの、アルジェリアからの信頼を取り戻すには時間がかかりそうだ。
両国の対話(diálogo)が不可避で、最上位の高官レベル(al más alt nivel)の対談が望まれるが、専門家は、まだ、難しい(complicado)と見ている。
むしろ、信頼できる(fiable)仲裁国(intermediario fiable)を通じた対話が現実的であるという。
で、名前が上がっているのが、モーリタニア(Mauritania)だ。アルジェリアとも、スペインとも良好な関係(buenas relaciones)を保つこの国であれば、仲裁役として、ふさわしいという。
失った信頼関係を回復するには、まだ、時間がかかりそうだ。
写真はアルジェリア大統領のアブデルマジド・テブン(Abdelmadjid Tebboune)。あまり、日本ではあまり馴染みがないが、スペインの各サイトで、急に見るようになった。
ところで、ある専門家は今回の事態は、スペインのアルジェリアに対する無知(desconocimiento)によるものと断じていた。専門家は
ここ数週間、話題に話題になっていたのは、経済的な問題だけ。両国の特殊な事情について、深められることはなかった(se ha fiado durante todos estos años a cuestiones económicas, sin profundizar en los elementos particulares de ambos pueblos)
と述べた。
つまり、「特殊な事情(文化面や宗教面のいろいろな違い、のことだろう、多分)」を抜きにカネだけの、ドライなビジネス関係は、時にあっという間に崩れるくらい脆い、ということだろう。
国も、そして、ヒトも……。