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少額短期保険とは何か?業界リーダーの深い洞察

以前発売された「少額短期保険の実務―保険業界の新たなイノベーション」という本があり、本の一部に弊社代表の畑がインタビューされた内容があります。

本は、主に下記内容となっております。

  •  既存の保険業だけではなく、異業種の顧客基盤も活用した新しい保険マーケットはどのように創出されるのか

  • 保険業界内外からの新規参入が相次いでいる少額短期保険業の実務を法規制を踏まえながら具体的な事例を解説

この記事では、弊社代表の畑のインタビュー箇所を一部抜粋して紹介していきたいと思いますので、少額短期保険への参入を検討する保険会社や他業界の関係者、保険業界にかかわる弁護士・コンサルタント等の方はぜひご覧くださいませ。

少額短期保険業の登録までの準備状況

このセクションでは、少額短期保険業の開始から設立までのプロセスについて詳細に記述しています。また、本書ではエンジニアの採用における課題、働きがいを感じるための工夫、そして労働環境の改善に関する取り組みについても触れています。

少額短期保険業の立上げに向けて、本格的に準備を開始してから会社創設までは、約1年の期間であった。私を入れた創業メンバー3名で、旧知の同僚や顧客とコミュニケーションをとりながら人材を集め、資金調達も幸いなことに短期で行うことができた。

(中略)

2016年12月にjustInCaseを立ち上げ、2017年4月頃より当局訪問を開始し、少額短期保険業者の登録・営業開始を2018年6月に迎えられた。当局との折衝は1年3ヵ月ほどを要したが、これは日本初のP2P保険の導入を協議していたためであった。新たな保険を当局と検討する際には、海外事例、および日本の保険業法保険法等の法律上の論点を明確にすることで、金融庁や財務局から多くの支援をいただくことができた。また、なぜこの仕組みや商品が必要であるのか、契約者保護や保険業の発展に寄与するのか等を明確にし、真意を誠実に伝えていくことが大切だと強く感じている。

少額短期保険の実務―保険業界の新たなイノベーション:第5章 インタビュー(220ページ目)


現状および今後の事業展開

本書では、わりかん保険という革新的な取り組みにより一定の反響があったものの、市場に馴染みのない新商品を販売する過程での困難について詳しく記述されています。

過去に商品販売を断念したことがあるP2P保険に関して、サンドボックス制度を利用して、2020年より「わりかん保険」を販売することが日本で初となるP2P保険の仕組みが保険関連法上で受け入れられるのか、また、事前払いが基本の保険料を給付実績に応じた事後払いとすることが構造上可能なのか、といった課題があったため、サンドボックス制度で検証したところ、いずれも問題ないとの結果を得ることができた。

(中略)

「わりかん保険」のようなP2P保険は、特定集団のメンバー間で助け合う仕組みで、海外ではSNSの普及や購買行動のオンライン化、Fintech等の新しい技術への規制面の支援、類似するP2Pレンディングの発展から欧米を中心に浸透し始めている。日本でのP2P保険は緒に就いたところだが、相互扶助の新しい仕組みを多くの人に知っていただき、趣味・経験・出身・在住地等の様々な人の集まりに対して、新たな保険加入の選択肢として提供していければと考えている。また、自社での販売に加えて、私たちの技術を使って、保険業界全体でP2P保険の素晴らしさを浸透させていくことにも注力していきたい。

少額短期保険の実務―保険業界の新たなイノベーション:第5章 インタビュー(222ページ目)


少額短期保険業・新規参入者への一言

本書では、少額短期保険業を設立するにあたり、デジタルやテクノロジーを効果的に活用するための重要な判断基準について詳しく説明されています。また、各メンバーが自発的に行動できる環境や仕組みの構築の重要性についても触れられています。

少額短期保険業に限らず新たな事業を起こしていくうえで、デジタルやテクノロジーの活用が欠かせない時代となってきている。新規参入を検討している方には、テクノロジーに対する経営陣の想い・考え方が重要であることをお伝えしたい。

(中略)

テクノロジー活用において経営者に求められることは、AI-OCRやRPA導入、または、システム開発のアジャイル化等の具体的なプロセス設計等へのこだわりではなく、どのような目的・価値観でそのようなテクノロジーを活用するのか、会社の考え方を示すことではないかと思っている。たとえば、大企業の子会社として少額短期保険業者を設立する場合、親会社にならって多くの機能を有する社内システムを導入しがちだが、そのシステムが少額短期保険業の規模に合致しているのか、少額短期保険がマーケットから求められるスピード感やコスト水準に耐えられる仕様であるのか、判断の軸となる考え方をしっかりともつことが重要であろう。

少額短期保険の実務―保険業界の新たなイノベーション:第5章 インタビュー(223ページ目)


さいごに

弊社代表の畑が語る少額短期保険業に関する貴重なインタビューの一部をここで紹介しました。少額短期保険の実務に興味をお持ちの方、または他社の関係者様のインタビューを詳しく知りたい方は、ぜひこの書籍をご覧くださいませ。



お知らせ

弊社は、グループ企業である株式会社justInCase​​での少額短期保険の運営実績や、保険業界における多数のシステム提供実績​​を活かし、企業の少額短期保険事業立ち上げをサポートする新事業「少短設立Navi」を開始いたしました。
少額短期保険設立に関するご相談・お問い合わせがありましたら、ぜひお気軽にお声掛けくださいませ。

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