きちんと。

随分と時間が経ってしまいました。

書かなきゃ、がストレスになっなら本末転倒って思って始めたので、何も感じないでいられたけれど。

今日こうしてまた開いたのは、とある本を読んだから。

『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』
佐光紀子 著

読み終えて、自分自身のnoteを読み返しましたよ。そうしたら、私の悩みと本の内容が本当にリンクしていて驚いてしまった。

きちんとしなきゃ、に呪われている私。

でもそれは、私が悪いのではなくて、そういう自己犠牲的で身を粉にして家庭を守り、夫を企業戦士として送り出し、せっせと子どもを産み育てる女性を作りたかった日本という国の政策なんだ…と知る。

そして、人手不足になった今、今度はそれを補うべく、女性も働くべきだと推奨されている。でもそれは、女性の活躍を望むものではなく、あくまでも女性によって人手不足を埋めたいだけ。緩衝材って書かれていた。

なんか、笑ってしまう。

そうだよね~、本気で女性に活躍してもらいたいなんて、多くの人…男性…政治家…は思ってないんだよね。百歩譲って、活躍している他人としての女性は応援できても、身内なら家のことしっかりやってくれって思ってる。それでいて、お給料貰えるなら家事を疎かにしない条件で働いて良いとか!!!!!

そりゃ政治家の失言も出てくるわけですよね。産む機械だの生産性だの。全ては女性の活躍なんて考えたこともないわけです。

本気で考えたら、保育園が足りないことも、お迎えに間に合わない終業時間も、平日に多い学校イベントも、なんとかできるでしょうに。

良妻賢母を理想とするように仕向けられた両親に育てられ、それを見つめつつも自立を志し、技術と職を手にしたけれど、全てをこなさないとダメ人間だと自分自身で烙印を捺してしまうような私が出来上がってしまった。

罠だったのか~、なんて思うと自虐的に気持ちが軽くなる。

早寝早起き朝御飯も罠(苦笑)

人の罪悪感と責任感をうまく利用してるんだなぁ。

私は、私達は、それを知って尚、賢く生きていかなきゃいけないんだと思う。国が、男性が、誰かが私達女性の活躍を心から望み、男女平等を心から望み、働きやすい社会を望み、何かしてくれるなんてもう思わない方が良い。

植え付けられた罪悪感と義務感を捨てて、自分自身を守って、子ども達だけには、そんな時代を引き継ぐことのないようにしていけば良い。

それでも私は幸せな方だろう。私の仕事は専門職で、今の職場では代わりはいない。募集をしてもすぐに次がみつかる可能性も低い。緩衝材でたまるか!!と言いきれる。収入も夫より高いから、私の収入無くして今の暮らしは成り立たない。家事をしないなら仕事を辞めろとは、夫は口が割けても言えないだろう。

世の中には、もっともっと大変な女性もいるだろうと思う。大変な労働量の中でも認められることなく、疲れはてて、それでも「きちんと」しないとダメな母親になってしまう、子どもがかわいそう、子どもの健康を守るのは自分だけだと頑張り続ける女性が。

選挙権がなかったことを考えたら、このこともいつから変わるのだろうか。

勝手に変わることはない。地道に変えていくしかない。

オシャレ(風)に撮った部屋の写真や、ずらっと並べた作り置き惣菜をSNSにあげたりはもうやめよう。自分がラクになるためにした工夫を自慢しよう。子ども達には、ラクに誰でも作れる料理を教えて作ってもらおう。

SNSに関して言えば、女性同士がマウント取り合って、お互いを高尚に苦しめているともいえる。少し前まではやる気を奮い起こしてくれる起爆剤だった素敵な投稿も、今となっては毒だなと思う。

あぁ、恐ろしい。

そして、本当に可笑しい。バカバカしい。

いつの世かこの時代のワーキングマザーが、超人的に家事も仕事も子育てもこなしていたと、国の助けも皆無の中で生きていたと、絶滅した生き物として語られる日が来ますように。

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